月別 “ July 2005 ” 列挙

“ July 2005 ” に書き連ねた俺様日記の数々。

- Excited JAPAN -

 いやぁ~、また咆えた!!!!
 これまたかなりエキサイティングしたわぁ~……
 観た観た!!
 観た!!!!


 まず女子バレーのチームのみなさんになにが言いたいって……
 “絶対を勝ち取れ!!”
 そう言いたい。
 まあ、やっぱり“お疲れさまでした”とかもあろうけども、やっぱり勝負なんだし、それなら勝たないと。
 アナウンサーさんとか実況の人とか、まずほとばしるように叫んでたのが“ありがとう!!”とかねぎらいなんかの言葉が多い。
 でもやっぱしさ??
 そんなねぎらいだとか、“中国をここまで追い込んだ”とか“キューバと互角”とか??
 気休めでもないんだろうけど、そんな結果を評価しちゃったら、なんとなく“それまで”っていうような感じに聞こえてしまう。
 それはそれで、確実に選手さんたちには自信につながるんだろうけど、自信がついても勝てなきゃ意味ない。
 そう思う。
 年齢的な部分とか関係なくしたって、毎試合“もう次はない”っていう気持ちで戦ってるんだろうし、勝ちに行くなら、ちゃんと道標を持たないとな。
 ……って、なんか今日は偉そうだな、やけに。


 いやぁ~、選手さんたちが勝つための努力をしてないなんて思ってない。
 そりゃまあ当然だな。
 じゃなきゃ、こんなこと書かない。
 背が低いとか個人能力、身体能力の差なんて、この大会で関係ないってのを世界に向けて証明したように感じる。
 んまあ、さらに背とかがあれば、もっともっと有利に立って、まず負けないチームなんだろうけど、そのへんもまたバネというか、原動力とかモチベーションになってんじゃないかというのが、ひしひしと感じられる。
 そういうチームが好きで好きで仕方ない。モチベーションが高い。
 佳江さんの言葉を借りれば“和”ってやつだろうな。
 佳江さんの言葉はすごいと思う。
 1回でいいからぜひ実際に面と向かって話してみたい人の1人だ。
 高橋みゆきさんはもちろんだな。
 やっぱこの“言葉”ってやつには、それが“力”そのものに変わるっていうことがあるって痛感する。
 日本チームの選手どうしがお互いに声をかけ合ってるシーンが好きだ。
 手を合わせるシーンも好きだ。
 決めたあとでみんなが輪を作るシーンも好きだ。
 試合前にベンチで思いっきり手をたたき合ってるシーンが一番好きだ。
 “1つになる”ってすごい。


 今度はなにを語りだしてやがんだ、おれは。
 “勇気をもらった”とかはない。
 きっと僕がもらったのは、なにかどこかそこへ向かう“熱”だろうな。
 熱くなった。
 これはまだ始まったばかりのこの夏のせいだけじゃないはずだ。


 最後に。
 “ベストスコアラー賞”の高橋みゆきさんへ。
 僕も泣きそうでした。
 でもグッとこらえました。
 また次、その次、またその次……最後の最後までとっておきます。
 僕の応援は止まりません。


 ……意味わかんねぇ~な、それ。
 全然高橋さんに送ってねぇ~し、“そのとき拓弥は……”みたいな作文だろう。
 ってか、まだ最後じゃねぇ~。


 ホント、テレビってやつは……選手の栄誉より広告費か!!
 まあ、それも契約だから仕方ないのか。
 それに、最後まで映してたところで、日本が勝つわけでもない。
 きっと高橋みゆきさんもチームの勝利を第一に考えてプレーしてることでしょうし……
 これはみゆきちゃんも言ってるな。
 おっと、失敬。また馴れ馴れしい……
 まあ、そのへんは大目に見てくれ、みゆきっち。
 あと、勝手に“Shin”より“Syn”のほうがカッコイイかなぁ~と思って、そう書かさせていただきとう存じます。
 でも嬉しくないはずはないので、これも1つの通過点として、また一緒に上を目指して昇っていこう!!


 って、なに恋人みてぇ~なことぬかしてやがる、おれ……
 もう完全にクレイジーだな。


 しかし、なにはともあれ、熱くなれた!!
 ヨッシーもカオリーンも、サッチンもアイボンも、櫻井っちも眞紀子ドンも、ザワピーも晶一も、あとほかの選手さんたちも、そしてマーガレットも、ホントにホントにホントにホントに素敵っす。
 また次が観たい!!
 個人的にはマーガレットのファンですが、みなさんを応援します。
 晶一ィ~!! 長生きしろよぉ~!?
 またあんたの撫子JAPANを観せてくれ!! で、魅せてくれ!!
 大和撫子soulful!!

  • July 20, 2005 1:51 AM
  • 松田拓弥
  • [ ゲロ古 ]

- Miyuki Takahashi -

 いやぁ~、高橋みゆきさん……
 ヤバい!! これはヤバい!!
 見れば見るほどかわいくなる。


 試合中、決めたあとに見せるあのちょっとおどけたような表情がたまらない……
 かわいすぎる!!
 こいつは活躍うんぬんは関係ない。そのへんは一切抜きだな。
 あの元気さと明るさ、しぐさや笑顔、動きと表情の豊かさでぶっちぎった!!
 オランダ戦では鳥肌立った。
 いや、全試合必ず5回は鳥肌が立つ。
 これまで菅山さんとか佳江さんとか宝来さんとか言ってきたけども、ここへきて高橋みゆきさんがスパイク3本ぬきんでた。
 菅山さんはレシーブ1つ。
 宝来さんはブロック3本。
 佳江さんは、どうやら子供たちにバレーを教えてるということもあり、チビッコ大好きなわたくしとしてはトス6本。
 だけど高橋みゆきさんは、さらに5本。
 こちらまでなんか元気で楽しくなってくるってのは、計り知れないパワーだ。
 そういう表情のできる人ってのは、そうそういるもんじゃない。
 出逢ってないだけかもしれないけども、ここで出逢ったというか、やっと見つけたような変な嬉しさがもある。
 恋人でもなんでもないくせに、これもまた1つの“出逢い”と呼んでもいいのかすらわからないけども、そういう考えたりすることもバカらしくなるほど素敵に思う。
 人間ってやつは、不思議なもんだ。
 変なところでつながってるような錯覚というか、感覚を覚えるらしい。
 まさに“ワクワクする人”っていう感じ。


 もう1つ不思議なこと……決めるたびに泣きそうになる。
 まあ、これは誰が決めてもそうなんだけどさ。
 なんだこれ??
 涙腺がちょっと緩すぎるぞ、最近……バレーだと特にそうだ。
 ちょっとさすがにここまでくると、熱すぎだな。ちょっと煙い。
 特に思い入れのあるスポーツでもないんだけど、なんだろねぇ~……いとこのお兄さんが高校のときにやってたってぐらいなもんだ。そのときは背番号“4”の重みがわかってなかった。
 でも女子バレー、高橋みゆきさんも竹下佳江さんもみんな言ってるけども、ホントこの“ラリー制”というルールになってから、1点の重みってのが大きいな。
 だからか??
 なぜだ??
 心の奥底からあふれだしてくる感じの震えにも似たアッツき鼓動が……それに胸打たれるんだよ!!
 なぜ1本決まっただけで泣きそうになる??
 いや、でもその1本の積み重ねが、最後の最後の電光掲示板には表示されない得点……
 涙も笑顔も、そのみんなで支えたすべてを湛えたチーム、そして“絆”という名の勝敗よりも大切なものを手にするんだよ!!


 ……って、なんだよ、そりゃ。
 んなクッサい言葉を並べりゃもっともらしく聞こえるだけだな。単純じゃ~ないさ。
 挫折や苦労、楽しいこともつらいこともあろうさ。
 きっとそういうのは、こういうところで公開したりするもんじゃないんだろうな。
 筆舌に尽くせぬ想いからくるものなんだろうに……


 とはいえ、今までの試合は、最初のうちはちゃんと生テレビで観てたんだけども、最近じゃちょっと時間の折り合いがつかず、ビデオ録画ばかりだった。
 朝っぱらからテレビの前で咆えまくった。よくあれだけわめいて隣人の方から苦情がこなかったなと……
「YES!!」
「Oh, みゆきちゃ~ん……ヴェリナイス!!」
 ここで馴れ馴れしくも“みゆきちゃん”なんて呼ばせてもらってるのは、大目に見てくれ、みゆきちゃん!!
 “最高だぜ、眞紀ちゃん!!”とか“愛ちゃん、素晴らしい!!”とか“ナイス、佳江!!”とか、馴れ馴れしいにもほどがある呼び方には目をつむってくれ、みゆきちゃん!!
 ハイ、2度目!!
 失礼……
 まあ、エキサイティングしたってことです。


 話は変わって、こちら高橋みゆきさんのいる『NEC レッドロケッツ』というチームのサイトを見てみた。
 あんま変わってねぇ~な。
 まあいいさ。
 “メンバー紹介”のとこを拝見させていただいたら、なにやら“モバイルネットワークなんとかこんとか”っていう小難しいとこにいるらしい。
 ってことはだ。
 それって俗に言う“プロ”じゃないってことなんだろうか??
 プロじゃない??
 バレーのほかにも普段、なんか上司とかいるオフィスでパソコン打ったりコピー取ったり書類作ったり、ファイリングしたりしてるってことなのか??
「この企画どうよ?」
「ああ、それはちょっとデザインがねぇ~」
「じゃあ、あんたがやってみなさいよ」
「えぇ~、それおれの管轄じゃないし」
「だったら文句言うんじゃないよ」
「じゃあとりあえず、メシ行く?」
「いいね」
 同僚とのそんなやり取りが会議室とかで繰り広げられてるってことか??
 なんかすっごいもどかしい…………日本のスポーツ界ももっとプロ化したほうがいいんじゃないかと思えてくる。
 それとも、選手の方たちのほうが、むしろそれを願ってるんだろうか??


 いや、それはいいんだ。
 “モバイル”っていう名がついてるぐらいだから、ケータイのデザインとか企画とかしてんだろうか??
 ……NECのに変えよっかなぁ~……
 なんつって、そんなことも一瞬脳裏をよぎった。
 が、こればっかりは譲れねぇ~。
 譲れねぇ~もんは譲れねぇ~。
 って、だれもそんなの頼んでねぇ~。
 いくら活き活きした素敵な人が関わっていようと、ケータイは、SHに生きる!!


 ……なんかウザいぐらい熱いな、今回……


 バレーの判断力とか技術とか、そのへんはあんまりよくわからんけども、やっぱどのスポーツにも共通な感覚というものがあるのか、うまいと思う。
 そのへんはもう言わずと知れてるんで……いいや。
 とにかく“うまい!!”っていう言葉が思わず漏れる。


 で、なんかいろいろ模索しているうち、『高橋みゆきせ選手ファンサイト』という銘打つサイトをいくつか拝見させていただいた。
 と!!
 “シン”という名前で、どうやら本人の高橋みゆきさんがファンサイトの掲示板などに書き込みをしてくれてるらしい!!
 こいっつぁ驚いた……ヴァレンタイン監督もマッツァオのファンサービスっぷりじゃないのさ!!
 で、ほかにも宝来さんなんかも書き込みやら、よくある“なにそれに100の質問”みたいな質問に答えてくれておるらしい!!
 あぁ~……
 あぁ~……
 あぁ~あぁ~……
 もう言わずもがな、言いたいことはわかるはず。
 そう、ご察しのとおりでございます。

 高橋みゆきさん、ここにチョロッとでも、ホントにチョロチョロッとでもかるぅ~くコメントでも何でもいいから書いてくれないかなぁ~……
 立派にファンサイトとか銘打ってるわけでもなんでもないんだけども、“見ちゃった!! ありがとう”ぐらいでもいいんだよなぁ~……
 ふた言なんて贅沢言わないから、“ありがとう”のひと言でもいいんだよなぁ~……

 とかなんとか言ってみたりなんかして。
 なんか書き方がやらしいなぁ~。


 う~ん、ヤバい。
 ヤバいぞぉ~!?
 どうしても実際に現場で観戦してみたくなってきた。
 テニスは、目が悪いためにあんなデッカい会場で、あんなちっちゃいボールを追いかけられない。というわけで、テレビ観戦。
 でも女子バレーとバスケは、やっぱり現地で観てみたい。NBAもぜひ、生きてるうちに1度くらいは現地の体育館で観戦してみたいもんだ。
 札幌じゃやらないのかなぁ~、Vリーグの試合。
 ぜひ現場の臨場感と白熱っぷりを肌で感じたい。
 せめて、テレビでその中継をやってほしいかと思う。
 こんだけの感動を与えてくれるのに、なんでテレビでやらないのだ??
 相撲とか野球よりよっぽど視聴率よさそうな気もするけど……


 と、そんなこんなでバイト中にも関わらず、この『NEC レッドロケッツ』のサイト内で公開されてる試合模様を映した動画をずっと観てた。
 画質は悪いとはいえ、やっぱかわいいのであった。


 どうせならさ??
 NHKももう危ういんなら、全部の番組おろして完全スポーツチャンネルとかにしたほうが視聴率も稼げるんじゃないかと思うが……CMもないんだし、スポーツにはもってこいじゃないのさ。
 あ、でも、こういうスポーツとか生でやるものとか、修正できないものはあんまり放送したくないのか??
 あ、いや、こういう誤解を招くようなことはやめとこう。
 自粛だ……


 さて、ライスとの中国戦のビデオでも観っかな。
 今日も咆えるべし!!

  • July 19, 2005 7:36 AM
  • 松田拓弥
  • [ ゲロ古 ]

- B front -

 一応、日記なんだけど、日記っぽくない。
 思いだしながら書くために、書いたあとでまた思いだすことが多い。
 そしたら、何日もさかのぼってまたその日の日記に追加する。
 そういうときは、なんか“あぁ~、なんか書く日間違ったなぁ~”と感じる。
 昨日のことを書こうとしてるときに、先にもうその日の枠が埋まってると、なぜだか書く気も失せてしまう。
 いやまあ、それでも書くんだけど。
 だから毎日日記を書くっていうのが苦手。
 でも毎日ちゃんと書いてたこともあった。
 メモ帳、ノート、A6サイズに裁断したパステルな青い紙。
 今まで書いた日記の全部をビデオの箱に入れて、今でもちゃんと保管してある。
 もし日記帳とかノートに書こうものなら、表紙に『日記』とか書きつつも、ページをめくるごとに日付をさかのぼったり、未来のことを書いたりしそうだ。
 実際そうだった。


“2004/4/14
 今日は天気がいい。快晴だ。
 文句がある。
 まぶしい。”

“2004/3/9
 昨日好きな人に告白しようと思ったら、あんまり好きじゃない人に告白され、自分はやめた。
 なんかすごい落ち込んだから。
 その人も決して悪い人じゃない。
 もし好きな人がいなかったら、晴れて交際スタートだったに違いない。
 でも僕には好きな人がいる。
 だからムリ。
 だけど実際には、そんなに一本槍な男ではない。
 ただなんとなくその人とは付き合う気がしなくて、告白するのもイヤになっただけのこと。
 自分の恋を実らせるのは難しい。
 りんごの木を植えれば、ちゃんとりんごは実るのに。”

“2004/4/16
「早く帰ってきてね??」
 あゆみが言った。嬉しそうで淋しそう。
 なんかちょっと嬉しかった。
「じゃあ、どっかで待ち合わせして、そのままどっか食べに行こう」
 あゆみは嬉しそうに笑いながら大きく1度うなずいた。”


 なんかもう日記じゃない。
 そのとき思ったことを書いてるだけだな。
 でもそれこそ日記と呼べなくもない。
 その日の日記を、その日が終わる前に書くのはどうかと思う。


 一時期『未来日記』ってのが流行った気がする。
 でもただそれだけだ。
 ちょっと今、ふと思いだしてみただけ。
 そう、ふと。

  • July 17, 2005 3:14 AM
  • 松田拓弥
  • [ ゲロ古 ]

- chronological order -

 なんでこう、最近の日記を前に書き、日を追うごとに昔の日記を書き始めるのか……なぞなぞだ。


 ちゃんと時系列で日記を書こうと思う。
 当然至極っちゃ~そうなんだけども、これがなかなかうまくいかない。
 でもそう心に誓う。
 いや、なんとか努力してみる。
 してみようと思う。


 ……と、そんなわけで、今日の報告。

 ウメちゃんが忽然とその姿を消した!!!!
 驚き桃の木向うズネ!!
 まあ、真夜中バイト中にメールしたら、なんか真夜中の看板を撮った写メールが返ってきたから、どこにいるかはわかるんだけどさ。がっつり町名も出てたし。
 が、しかし!!
 なんか大人のドロドロしたものがあると見た!!!!
 ……これは復讐です。
 しかし彼はよく走る……

全文を、この続きから読ませてください

  • July 16, 2005 7:30 AM
  • 松田拓弥
  • [ ゲロ古 ]

- lactic acid -

 あ、あ、あ、ええ、え、あ。
 え~っと、このたびはご多忙のところお集まりいただき、誠に光栄に存じます。
 過去の分の日記ならたくさんありますので、どうぞごゆるり。


 しかし、この日の体育館は、恐ろしいほどの人手不足だった。
 ゲームが始まる19時までに、20人もいなかったかと……
 19時ちょっと前に帰って行かれる人もいた。
 なぜだ??
 ゲームこそ最大の練習になるんじゃないのか??


 まあいいさ。
 そんなこんなで、今回は、どうやら現役の高校生らしい人たちのチームでゲームに参加することになったわけだ。
 いやぁ~、田上くんより走る走る……疲れを知らないマシーンのように。
 でも同じ高校生ではないけれども、田上くんと彼らの姿勢はこんなにも違うもんか……
 やっぱりふざける。
 相手が小学生とか中学生だと、どうしてもまわりや相手、チームメイトのレベルに合わせてプレーをする。
 んまあ、そんなことはいいんだよ。
 それはそれで正解だ。それでいて、誤解だ。そしてこれはパクりだ。
 ASKAさん、ごめんなさい……でもこのフレーズがとても好きなんです。

 人も少なかったせいか、結局ラストゲームまでいた。
 まだまだ加速度的に乳酸はたまってくけども、以前ほど肺がもげそうになるっていうことはなくなったらしい。
 喜ばしいことだ。
 ちょっと本気で1mgから、のどにいいという薬っぽい中国タバコみたいなやつに変えようかと検討した。
 あとは減塩もちょっとやめて、気持ち多めに塩を取ろうと思う。
 汗っかきには塩が必要。
 食いしん坊も復活の兆し。

 やっぱ試合後の挨拶は気持ちがいいもんだ。
 それでいて、試合中は笑い合いながらプレーするも、ひとたび試合が終われば、丁寧なお辞儀をしたりもする。
 不思議なもんだが、楽しいもんだ。

  • July 13, 2005 11:35 PM
  • 松田拓弥
  • [ ゲロ古 ]

- Origin -

 なんか最近、ちょいとばかり片手ほどの人様のブログを覗いてみた。

 ……どんなに誰かの言葉を借りてようと、たとえ使い古しのことだろうと、誰かの影響を大きく受けていようとも、そこに自分の言葉や気持ちが少しでも存在してれば、それはもう自分自身の言葉なんだと感じた。
 自分の気持ちで、自分の思いで、自分の想い出。

 ホントにまっさらなんて、もうないと思えてくる。

 きっと、たくさんの数限りない誰かの軌跡と、そこをたどるほんの少しの自分なんだろう。
 それがきっと“オリジナル”なんだ。
 そうやっていろんな人の支えのなかで自分ができあがっていくように……

 誰かが先に行き着いた場所と、自分の行きたい場所。
 誰かが先に見つけてくれた道と、自分が選んだ1つの道。
 きっと誰もがオリジナルで、一番最初はただの道。
 きっと同じ思いを抱えた人たちが一緒に歩き、誰かがそこに座ったとき、ほかよりここが居心地いいと感じただけだろう。
 誰も1人ぼっちじゃ新たな道は拓いていけない。
 自分だけのものだというなら、それはただの“孤独”なんだ。

 音楽でも詩でも小説でも、作り手は1人だったとしても、読み手や聴き手は1人じゃない。
 受け取る側の思いが重なって、初めてそれが意味を持つんじゃないかな。

 万人に受け入れてもらえるなんて思ってない。
 だけど、たとえば誰かがイヤだと言ったら、僕とその人とのオリジナルが欲しいと思う。
 “それなら見なくていい。聴かなくていい”だなんて言えない。
 だったら僕は、そんなものは作らない。
 それなら独り言で充分なんだ。


 ……気持ち。
 生きてくことや自分の存在に、もう意味や理由なんて求めちゃいない。
 今こうして生きてることに感謝できれば、そのほかのこと、いろんなことに感謝できると気づいたから。
 感謝もしていない。
 あたり前とも思ってない。
 そして自分に、支えてくれるみんなに、誰かに想いを馳せる。それだけだ。
 それは独り言じゃいけないから。

 “ありがとう”が感謝の気持ちの証なら、僕はただ、沈黙のなかにでもいれればいい。

  • July 12, 2005 4:27 PM
  • 松田拓弥
  • [ ゲロ古 ]

- Soupcurry -

 本日、人生2度目のスープカリーを食した。
 いやはや、ここは実にうまかったでございます。


 そこは≪ショルバ~≫という、≪平岡ジャスコ≫の右側の正面にこぢんまりと建っている。
 店の駐車場に車を停めるまで、店の名前を“ジョビジョバ~”だと思い込んでいた。
 その名前もさることながら、昔は毎週のように≪平岡ジャスコ≫へ通っていただけに、とても恥ずかしい。なんとなく掲げられている絵柄からそう読んでいたらしい。
 この日は、中古車のなんかやってたせいかたいへんの混雑……≪ジャスコ≫が。
 お店の前の道も、≪ジャスコ≫から出てくる車でカラフルな濁流のようだった。
 まあ、今はそんなの関係ない。店に入った。
 店員のお兄さんが店の奥からやってきた。ヒゲもニット帽も全部が黒かった。
 注文は“スペシャル”を2つ。
 激辛、ピリ辛、スパイシー、マイルド。
 迷わない。ためらわない。臆さない。
「マイルドで」
 辛い料理は、選べるなかで一番甘いの。
 というわけで、さらなる挑戦。
「甘口でお願いします」
「え?」
 そんなのはありません。
 でも“マイルド”とはいえ、それは“マイルドに辛い”というわけなので、それじゃ困る。
「じゃあ、辛味なしでいいですか?」
「はい、それでお願いします」


 雨はいっこうに降りやまない。
 言葉もなく眺めていた。
 窓の外では、地面にできた無数の透明のシンバルを打ちつづけている。自然のかもしだすノイズは、ただただ心地よさそうに映った。
 が、それは、人間の打ち鳴らす音楽によってかき消され、聴こえはしない。


 スープカリー!!
「おかわり自由ですから」
 ヒゲのお兄さんはそう付け加えて去っていった。
「タダ??」
「じゃない?」
「おかわり自由って、米タダ??」
「いいねぇ~」
 やっぱり野菜はとてもデカい。
 なすびが……なすびは……なすびも……なすびと……なすびもデカい。
 しかもちょっとアヤをつけて、しなびたタコのような形に切られていた。
 すかさずウメちゃんの皿に移植。
「じゃあ、ニンジンとバクるか」
「おうよ」
 これまたデッケぇ~ニンジンが俺様の皿へ。
「なすびウメぇ~べや」
「いや」
 カリーを飲む。
 ニンジンを食う。
「うめぇ~な」
「うん」
「中央区にあるようなとこよりうめぇ~な」
 おれは食った。
 ウメちゃんも食った。
 うん、食った。
 おれたちは食った。
 おれたちはカレーを食った。
 そう、おれたちは……カレーを。
 最近、左側の詰め物が取れたっぽいので、右側の奥歯でがむしゃらに食った。
 ウメちゃんは今、歯医者に通っているらしい。
 でも僕はそこに行かない。
 それはなぜなら、遠いからだ。自転車では遠すぎる。それよりもっと遠いところなら行けるんだけど、中途半端に遠すぎる。行く気になれない。


 ウメちゃん、かなりヒートアップ。
「汗かきすぎ」
 その顔に目を上げたとき、ひとすじの汗が右目の上から頬を伝って流れる。
「ムフォ」
 ティッシュで拭きまくるウメちゃん。
 雨はまだまだ降りやまない。
「昨日からおれ、辛いもんばっかり食ってんな」
「あぁ~、ペペロンだからね。モロ出し唐辛子」
「ちょっと辛味なしって食ってみてぇ~」
「どうぞ??」
「……フォフォ」
「食べる??」
「いらね」
「あのぉ~、すいませぇ~ん」
「……」
「すいませぇ~ん」
「……」
「すいまっせぇ~ん!!」
「はい」
 お兄さんがやってきた。
「はい」
「ライスおかわりください」
「はい。え~っと……2つで」
「1つで」
「はい」
 ウメちゃんのあいた皿を持って去ろうとするお兄さん。
「あ、あの」
「はい?」
 振り返ってこちらに向きなおるお兄さん。ちょっとかるく片足でスピンターンをした模様。
「これってどうやって食べるのが正解なんでしょうかねぇ~」
 疑問形とも独り言ともとれるウメちゃんの質問。
「あぁ~、それはホントに人それぞれですねぇ~。ライスを取ってそれをひたす方もいれば、先にお肉を食べてライスを食べる方もいらっしゃいますし……全部入れて食べる方もいらっしゃいますし。ホント人それぞれですね」
 最後の“全部入れて”って付け加えるのに一瞬の間があったのは、僕の皿に浮く米粒を見たんだと思ふ。
 でも僕は、全部を入れたわけじゃない。せめての上品さをかもしだすために、小出しだ。
「なるほど、そうですか」
「どうも」
「いえいえ、ごゆっくり」
 お辞儀の流れのまま振り返ったお兄さん。そのままキッチンの奥へと引っ込んだ。
「やっぱ口のなかでミックスするのがベストなのかな」
 実践するウメちゃん。
「なるほどね。そういう食べ方もあったわけだ」
「ん?」
「先にスプーンで米すくってからひたせばいいんだ」
「うん。なんで?」
「さっき先にカレーすくって米とろうとしたらこぼした」
 “アハハッ”とかるく笑うウメちゃん。
「しかし……」
 カレーをひと口。
「……辛味なしでも辛いと感じるおれって、ダメ人間??」
「うん、ダメ人間」


 完食。
 ウメちゃん、マッスルヒート。ラメのように光ってた。
 “辛味なし”といえど、絶対入れてやがった。辛かった。
 でもうまかった。
 レジスターへ歩み寄った。
 お兄さんがキッチンから出てきた。
「ありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ」
「ごちそうさまでした」
「辛さとかだいじょぶでした?」
「いや、辛かったです」
 お兄さんが“ナッハ”と笑った。
「すいません。勉強しときます」
「いや、でもおいしかったです」
 お食事料金を払って店を出た。
 雨脚は気持ち優しくなっていた。


 それから≪平岡ジャスコ≫に行って、“イオン賞”が当たれば液晶テレビとかいうスロットくじをやった。
 8回やって当たりはゼロ。
 ウメちゃんは洗剤1つ。
 半分ずっこで買った二人掛けソファは、16日の午前に届くらしい。


 家に到着して少し経ったころには、雨はすでにやみかけていた。

  • July 10, 2005 11:24 PM
  • 松田拓弥
  • [ ゲロ古 ]

- I'm wearing my heart on my sleeve. -

 さすがに自分でもアホかと思った1日。


 自転車で≪平岡ジャスコ≫まで行く。
 たぶんその無謀さというか、チャレンジャーというのは、わかる人にはわかる距離……
 それなりの厚着ではあったものの、さすがに汗かいた。
 いっつもリュックをしょってるとはいえ、背中にじんわりどころじゃない。けっこう上に着てたやつが変色するぐらいだったと思う。
 そのまま楽器屋さんへ突入。
 うちの近所には楽器屋さんがない。
 帰宅したとき、ウメちゃんはまた車を磨いていた。
「おう、お疲れ」
「いやぁ~、さすがに疲れた」
「どこ行ってた?」
「≪ジャスコ≫」
「マジで? そりゃ疲れるわ」
「遠すぎ」
「で? 買ったものは?」
「いや? なんも? なんも買ってない」
 笑いながら見上げた空が、いつもより高く感じた。


 どうやらホンット惚れっぽいらしい……
 多情というわけじゃ~ないんだけども、なんかすぐに熱する。すぐ煮え立つ。
 ちょっとかわいい人に、ちょっと優しくしてもらっただけで、その人が頭から離れなくなっちゃうらしい。
 そして、どうしてもかわいい人を探してしまう。
 男性の店員さんには、まず話しかけない。
 そして、まず買わない。
 どんなに仲良くなっても、どうしても男性の店員さんだとダメなんだなぁ~……
 というより、仲良くなって普通に友達みたいな意識になってしまうようだ。不思議なもんだ。
 今回は、ちょっとカバーについて質問してみたわけだ。で、ふた言か三言、四言葉か五言ぐらい言葉を交わした。
 それだけだ。
 まあ、それも仕事のうちってのはわかってはいるんだけど、どうしても女性店員さんに微笑みかけられると弱い。
 やっぱしかわいい人を選んでしまうわけで、そんな人に笑みを向けてもらっちゃうわけで……ダメなんだな。
 でもって、もうちょっと話したいがために、話を伸ばそうと、なんだかんだと質問したりしてみる。
 急ぎのものでも、多少時間がかかったっていい感じで話を進めてみる。
 取り寄せと言われようとも構わない。
「それじゃあ、メーカーさんに問い合わせてみますね」
「あ、わざわざすみません。よろしくお願いします」
 なんかちょっと、こんなかわいい人が僕のために電話までしてもらったり、裏の埃っぽそうな倉庫にまで行ってもらっちゃったり……
 申し訳ないようで、そんな姿がちょっと嬉しくなってしまうわけだ。
 それから仲良しっぽい感じの男性店員さんと2時間ほど独占状態で話した。
 その店員さんは「これが仕事ですから」と気遣ってくれたんだけど、やっぱしけっこうヤな客だと自分でも思う。
 そのあとで今度は、またお姉さんに話しかけに行ったあたり、さらに感じ悪い。
 すぐにその男性店員さんに悪いかなぁ~と、思ったことを口にしてしまったわけで……
 今度はそのお姉さんに感じが悪い。そうとう感じが悪い。
「いえいえ、そんな……ぜひお願いします」
「いえ、いいですよ」
「いえ、ぜひ!!」
 そうお願いしてみてもお姉さんは聞いちゃくれない。ちょっと怒った顔もまたかわいかった。
 それでその男性店員さんと代わるということになってしまい、もうニッチもサッチもいかなくなった。
 今知ったんだけども、この“ニッチもサッチも”って、漢字にすると“二進も三進も”と書くらしい。
 結局、男性店員さんといろいろ話した末、話しただけで帰ってきた。


 で、この翌日に、ウメちゃんとまた行ったわけだ。
 正確には、この日に1回帰ってからまた行ったんだけども……
 行ってすぐ、レジにいたお姉さんが気づいてくれた。
「あ、どうも。また来ちゃいました」
 お姉さんは、また微笑んでくれた。
 それからまた、同じ男性店員さんとさんざんしゃべった。ああでもないこうでもない。ホント譲れない我を持ってると、こういうときホントに迷惑かける。
 学んだ。
 で、そのまま帰ればいいものを、いいだけしゃべってもらっておきながら、最後にお姉さんをわざわざ呼んでもらった。
「あのお姉さんいます??」
「どうしたんですか? なんかありました?」
「いや……あの、ファンなんです」
「ああ、ホントですか?」
「ええ。本当です。もう今日の朝来たときから」
 チラッとお姉さんを探してしまった。
「もしかして、奥さんがあのお姉さんとかじゃないですよね?? だったらおとなしく身を、引っ込みますけど」
「いえ、違いますよ。じゃなかったら、引っ込まないんですか?」
「ええ。そう簡単には引っ込みませんよ。じゃあ、オフィス・ラヴとかあったりしますか?」
「いえ、まったくないですねぇ~。じゃあ、ちょっと呼んできますね?」
「ああ、よろしくお願いいたします」
 男性店員さんがレジのほうへ引っ込んだ。
 メッチャ元気に、そして若干駆け足でお姉さんがこちらにやってきた。
 その姿にまたやられた……かわいすぎだよ、お姉さん。
「あ、2度目のご来店、ありがとうございますぅ~」
「いえいえ、こちらこそ……」
「どうしました?」
「あのですねぇ~」
「はい?」
「ちょっと握手してください」
「えぇ? なんでですか?」
 やっぱりそこは女性ですな。一瞬手を引っ込めて、怪訝そうな表情を覗かせた。
 と言われても、うまい言い訳も思いつかず……
「あ、はい」
 お姉さんは握手してくれた。
 でもそのあとすぐその男性店員さんを“呼んできます”と、また駆けて行った。
「いや、もういいです」
 そんな言葉を送ってみるも、行ってしまった。
 明らかな拒絶反応と受け取った。
「……見込みなし」
 ヤッベ、なんかストーカー体質かも……ちょっとそんな自分が心配になった瞬間だった。


「いやぁ~、“Gibson”もいいねぇ~」
「アホか。高ぇ」
「あ、じゃあ、これでいいよ。なかなかお手ごろだし」
 上の段にかかってるギターをかるくその手で引き出した。
「ミニギターもいいんだけどさ、ちょっと一風変わったやつもいいかなと」
「ああ、まあね。ほかのやつよりはね」
 と、そんな話をしたあとの帰り際にウメちゃんがポツリと教えてくれた。
「薬指に指輪してたけど」
「えっ、マジで?? 気づかなかった……ショック」
 そこにあった椅子っぽくない椅子に座り込んだ。
「あぁ~、なんかひさびさに失恋した感じ」
「展開、早っ!」
「いやぁ~、なんかもう立ちなおれない感じ」
「いや、でも、わかんないじゃん。なんかゴッツい感じで、そういう指輪じゃないっぽかったような……」
「いやぁ~、でもわざわざ薬指にはしないだろう」
 うしろ髪引かれるようにしばし振り返ってみる。
 ほかにもまだ9本もあいてる指があるのに、わざわざ薬指にするとは、どうしても考えにくい。
「まあね。でもそういうの気にしない人もいるからねぇ~」
 もう1度振り返ってみる。
「見えねぇ~」
「確認してみる?」
「いや……まあいいさ」
 なんとかそこで踏みとどまるのがやっとだった。
 それを超えると、完全にストーカーと変わりない。


「あ、やっぱしてる」
「……」
「終わったな」
 お姉さんの指には指輪があった。たしかにゴツかった。でも、そうとも見えなくもなかった。
「あ、どうも……」
「あ、いらっしゃいませぇ」
 お姉さんが微笑む。
 わざわざ立ち位置を微調整して、お姉さんのまん前から少しズレたところを選んだ甲斐があった。まん前だとさすがに気持ち悪い。そこでも充分気持ち悪いけど……昨日も来てたんだし。
 もうほかを見てまわろうと、昨日と同じレジの裏の棚にまわった。ああでもない、こうでもないと場所が同じなら話題も同じだった。


「あれ??」
 ふと顔を上げた。
「してなくない??」
「あ……」
 たしかにしてなかった。間違うはずもない。
 ちょっと浮かれた。
「あれ??」
「あれ??」
「してる」
 次に顔を上げたときには、またそこにあった。
 なんだかまごついてしまった。
「確認してみる?」
「見えねぇ」
 電話応対で手には白い手袋をはめていた。
「ちょっとまわりこんでみる?」
「おうよ」
 昨日は踏みとどまった一線を超え、ストーカーになり果てた瞬間だった。
 お姉さんは電話を終え、応対していたお客さんもそこから消えたあと、手袋を取った。応対机の上、その手元にはよく見る黒い箱に入ったキンキンに光り輝く金管楽器、サックスがあった。
「あ、してない……」
「おっ。ちょっと復活じゃない?」
「いやぁ~、どうかなぁ」
 そんなことは言いつつも、顔はしごく緩んでいたはずだ。
 またレジの裏の棚にまわって話し込んだ。さっきまでは、ああでもない、こうでもないだったのが、きっと“あれもいい、これもいい”になっていたことだろう。
 人間ってのは欲張りだ。
 今日はとっても忙しそうだった。店員さんのだれもが駆け足ぎみだった。
 しばらくしてやっとひと段落したらしく、また昨日と同じ男性店員さんが気づいてやってきた。
「あ、どうもどうも」
 そしてまた昨日と同じ話を繰り返す。
 レジのすぐ裏だ。


 店を出るとき、話した店員さん全員に挨拶してまわった。
 お姉さんは見当たらなかった。
「探す?」
「いや、いいや」
 そう答えてお店を出た。
 それからすぐスロットをやるために、もう1度エスカレーターで下を目指していた。ゆっくりとそこへ向かう。
「あ、やっぱりしてくわ」
 その階で降りて、お店のなかに入る。
 店内にぐるりと首をめぐらす。ちょっと背伸びもしていた。
「あれぇ~」
 たぶん声にだしてただろう。
「あの、あのお姉さんいませんか??」
 近くにいた男性店員さんに聞いてみた。
「え?」
「いや、あの、お姉さんいませんか?」
 そう訊いてる間にも店内を見渡すことはやめなかった。
「お姉さんですか?」
 たぶん“あのお姉さん”で通じるはずもない。
 でも、探すってことは“今ここにいない人”ということで察したんじゃないか。
「……あ、メシ行っちゃいました」
 その瞬間、僕のひと夏の恋は、降りやまない雨とともに土に還った。


 その帰路、以前からずっと知り合いの店員さんがいるvodafoneショップに赴いた。ウメちゃんとともに、もうかれこれ6年ぐらいの付き合いになるらしい。
 その人もすこぶるかわいい。最初見たときはビビッたもんだ。
 年に関しては「それ、禁句だよぉ~」と言ってはいたものの、もう31歳になると聞いたけども、まったく老けない。ビックリするぐらい若く見える。
「ホント老けないねぇ~」
「またまたぁ~」
「いや、マジで」
「そう?」
「うん。なんかどっか老けた??」
「うん、老けたよ」
「あらまぁ~……でも全然見えないわ」
「そうかなぁ~。でも全然変わんないよねぇ~。すっごいひさびさだけど、最初会ったときと全然変わってない感じ」
「やった!! ほらな??」
 ウメちゃんを向く。
「やっぱ店長がおかしいんだって」
「どうしたの?」
「いやぁ~、こないださぁ~。店長に“老けたねぇ~”って言われたんだよねぇ~」
「えぇ~、ホントぉ~?」
 とまあ、そんな感じでひさびさの再会に花を咲かせた。
「あ、そういえば、会社の意向で禁煙になったんだよねぇ~、店内全部」
「はぁ~!? マジで??」
「うん」
「ほんじゃあ、どこで吸うのさ」
「だから吸えないの」
「えぇ~!? なにしてんのぉ~」
「いや、なんもしてないんだけどね」
 それでも、お店に足を運んだ際、いつものごとくコーヒー飲みつつしばらく居座った。


 やっぱ、そういうモノを売ったりする販売店とかショップだと、店員さんのかわいさってのは、かなり重要だと思う。
 そのお目当ての店員さんに会いたいがためにお店に行くっていう人もいるんじゃないか??
 たぶん企業のなかには、受付さんとかはそれも重要な要素として採用してるところもあるんじゃないかと思われる。
 で、行ったついでになんか買ってみたり、ケータイの暗証番号とか変更してみたり……
 ケータイ屋さんに行った際は、機種変更とかはせずとも、ぜひ暗証番号とかお金のかからないサービスの変更をしよう!!
 店員さんはきっと隠れて喜んでくれているはずさ!!
 まあ接客態度とか、その他うんぬんかんぬんとか、行く人によっていろいろあるかもしれないけど、それは二の次。
 もしその商品で騙されたとしても、それでもいっかなぁ~とか思ってしまう。さらには、“騙されたぁ~”ってまた話に行く口実にできる。
 ……あぁ、なんと前向きなんでしょう。
 惚れっぽいにもほどがある。
 でも、こんな生き方も悪くないと自分では思ってみたりする。
 ただ、そのお店の携帯電話を2本とも“友達割引”として登録してる僕は、ちょっと切ないかもしれまいに。

  • July 9, 2005 2:39 AM
  • 松田拓弥
  • [ ゲロ古 ]

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