いやぁ~、すまない。
せっかく今日の日記を楽しみにしていてくれる人がいるってのに、遅くなった。
ホント、申し訳ない。
と、昨日 ──── いや、もうおとといは、俺様の誕生日。
そう、今年はひさしぶりに土曜日だった。
わりとみんなが休みの日。
数々のメール、電話、メッセージ、そしてプレゼント、まことしやかにサンキュー・ベリー・マッチョ!!
大変けっこう。
俺様、非常に多くの人から愛されてるんだと、31にして実感。
生かされてるとまでは思わずとも、助けられて育ってきたんだなぁ~と改めて見せつけられた気がする。
と、しかし……
が、しかし、である。そうなのである。
“ 通じ合う ” とは、まさにこういうことを言うのだという珍事が立て続けに巻き起こったのである。
よもや、 “ 誕生日 ” という年にたった一度しかないエスペシャルな日にだ。
始まりは金曜日。
それは言うまでもなく、誕生日の前日である。そして、あとふたまわりぐらいしたらハッピー・バースデーとなろう時間帯。
俺様の携帯電話が、CTU の内線を伝える音を響かせた。
一通のメールを受信。
──── 今、電話しても OK かな?
おかしい……あやしい……
なぜいちいち電話するのに断りを入れるのであるか。
いや、彼のことである。わからなくはない。
そう、それは以前『無添加・無農薬にこだわった≪天然素材の菓子工房 ましゅれ≫が5月1日、楽天市場にオープン!!』という日記で紹介した俺様の親友、カトウからだったのである。
性格は、いたって優しい男だ。相手をしっかりと気遣い、根っからのスマイルボーイ。気のいいチンピラといったところ。
俺様はすぐに電話をかけた。
ちょっとしてカトウの声が携帯電話の向こうから聞こえてきた。
「あ、返事くれたらこっちからかけたのに……」
これがもうかれこれ10年以上も付き合いのある俺様たちでさえ、お互いが何時間も引きずるほどの “ 通じ合い ” の序章に過ぎなかったことなど、このときの俺様たちには、まだ知る由もなかった。
話を聞けば、どうやら彼は明日がたまたま休みなのだという。
で、前々から言ってたわりに全然実現してなかったメシでもという話。
いや、実際には奥ゆかしいことだったんだけども、ここではあえて伏せておく。それはなぜなら、俺様の仕事上での関係で、だ。
- カトウ
- ……いやぁ~、なんだかんだで5年ぐらい会ってないけどねぇ~。
- 俺様
- ああ、まあ、そうだな。そんぐらいになるやな。おれ、明日誕生日なんだけど。
- カトウ
- え? 明日? 誕生日って? だれの?
- 俺様
- いや、おれの。
- カトウ
- マジで?
- 俺様
- マジで。え? なに? おれの誕生日だからって電話してきてくれたんでしょ?
- カトウ
- なんでよ ──── (爆笑) ──── なんでおれがタクヤの誕生日憶えてなきゃなんないのよ。っていうか、キモいしょ、そんなの。
- 俺様
- えぇ~!? 違うのぉ~!? なんだもう、てっきりそうだとばっかり思ってたわ。
- カトウ
- 違うから。今回はちゃんと、そういう相談があって電話しただけだから。
- 俺様
- あら、そうなの。ひどいわね。
- カトウ
- なんでよ。でも、暇なときけっこうタクヤのブログとか見てるんだけどさぁ~、家から近いから店行くとか言って、まだ一回も来てないけどね。
- 俺様
- あぁ~、そういえばそうだね。でも一回行こうとしたんだって。でも迷って挫折したの。
- カトウ
- あ、来ようとしたの?
- 俺様
- うん。今はほら、インターネットがあるからね。ちゃんと『 Google Map 』で調べて ────
- カトウ
- ああ、でも、『 Google 』で調べて来れないんだったら、ちょっとどうかな。
- 俺様
- あら。 あそこ、店どこよ。
- カトウ
- あそこ? ああ、どこって言ったらいいかなぁ~……≪TSUTAYA≫とかわかる?
- 俺様
- ≪ TSUTAYA ≫? 南郷13丁目の?
- カトウ
- 違う。米里の……
- 俺様
- 知らね。わかんねぇわ。無理。
- カトウ
- なんでよ。チャリンコで来いや。
- 俺様
- まあ、行きたいのは山々なんだけどねぇ~。わかんねぇし。
- カトウ
- まあでも、普段忙しいんでしょ?
- 俺様
- ん~、まあ、忙しいかな。それなりに。
- カトウ
- しかも明日誕生日なんでしょ? じゃあ、なおさら野郎なんかと会いたくないだろうしさ。
- 俺様
- < ……別に。 >
- カトウ
- まあでも、それだったら明日は無理にしても、近々あいてる日にでもちょっと飯でも食いに行こうや。ひさびさにさ。
- 俺様
- いいねぇ~。おう、行くべ、行くべ。
っつーか、そんなもん思うだろう。
なんだかんだで憶えてて、サプライズ的に連絡したりとか、それぐらいの演出はできる男のはずだ。そうやって数々の女たちを、そして、その女たちと具体的にはトイ……自粛。
まあ、彼ら夫妻用の冗談はいいとして、本気でそう思った。
ホントの “ たまたま ” で誕生日の前日、しかも恋人ぐらいしか連絡してこないような時間帯にメールするかよ。
で、随所で七転八倒しながら話は展開し、やがて終息。
俺様は、そう、なにをかくそう俺様だ。
そんなもん、行かないわけがない。
サプライズ大好き人間が、しかも、こんな連絡があればなおさらだ。
なにがなんでも、行かないわけがない。
そして翌日。
行く気満々で目覚めたあと、すぐに身支度を整えた。
ひさしぶりに髪の毛にワックスをつけて、二回ズボンを履き替えた。
改めて『 Google Map 』にて検索、道順も復唱した。
いざ、出陣。
しかし、そこも俺様。
案の定、道に迷った。間違って、白石区を抜け、東雁来というところまで行っていた。そこはもう東区である。それぐらいはさすがに俺様だってわかる。
新道をただまっすぐ行って、なんかデカいところを左に曲がるだけの道順だった。
明らかに間違った。というより、にわかにわかっていながら間違ったのだ。
でまあ、結局かなり戻って、やっと店の前に到着。
すぐさま持っていってた撮影用の『 Xacti 』をリュックから出して、お店の門構えを正面から見据えていた。『 Xacti 』の液晶でアングルを決め、メニューを開いて撮影モードの設定を決めていた ────
そう、ここ、この瞬間こそが、まさに俺様たちの “ 通じ合い ” だったのである。
──── “ プップ ”
『 Xacti 』をイジッていたら、視界の外から突然のクラクション。
反射的にそちらに視線を向けると、黒い車が『ましゅれ』さんの店の横に乗り入れてくるところだった。
なにげなくさらに視線を移すと、その窓の向こうで、運転席の男が満面の笑みでこちらに顔を向けていた。
ウォークメンの『北斗の拳』が、徐々に『プリティ・ウーマン』のテーマソングに変わっていくような錯覚を覚えながら、俺様も自然と自分の表情が緩んでいくのを感じていた。
「おぉ~~~~~~~~~~~~~」
そう、そこにいる男こそ、カトウ本人だったのである。
最近じゃ、みんななにかと “ あり得ねぇあり得ねぇ ” 言うけど、あの瞬間こそ、その言葉がジャストマッチだった。
お店に入っていって、嫁にも言われたことだけど、これは本当になんの申し合わせもしてない。
まあ、それも当然だ。待ち合わせでもしない限り、あれはおかしいタイミングで二人が店に入っていったわけだよ。
昨日の電話では、 “ 俺様は行かない ” という設定になり、むしろ “ 今日会うのは無理 ” というシチュエーションが完成されていたはずだ。
それがどうだい!!
ホント俺様もちょうどそのとき着いたばっかで、彼も本当にたまたまだったんだそうだ。
俺様は完全に道に迷った挙句の到着。
嫁に紹介してもらったあと、二人で入ったお店で話を聞けば、彼はちょうど一眼レフのカメラを買ってきた帰りで、そのことを嫁に報告しようとたまたまお店のほうに寄ったのだという。
これぞ “ 偶然 ” だ。それ以外のなにものでもない。
もう神の御業としか思えないような偶然。本当に、これこそ “ なにかのめぐり合わせ ” としか表現のしようがない。
ホント、世の中じゃあんなことも超然と起こるんだな。
このときは本気で “ 運命 ” ってやつを信じてみたくなった。それにはどうやら、男も女も関係ねぇらしい。
車からカトウが出てきて驚きと懐かしさの声を上げてるのをかすかに聞いて、そのとき初めてウォークメンのイヤホンをはずしたもんだ。驚きのあまり絶句してすっかり忘れてた。
俺様が言葉を失うなんて、そうそう滅多にあることじゃない。
「ああ、ちょっと、紹介するわ」
うんうん、そのへんもしっかりした男だ。
友達に友達を紹介するって、けっこうあたり前のことのようで、なかなかできることじゃない。
「いやぁ~、来るってわかってればケーキぐらい準備しといたのに……」
そして、嫁とのお初。
いつもブログやカトウからの話でしか知らなかった “ 嫁 ” 。なんだかんだで5年も紹介されなかった嫁。
ついにご対面のとき。
さすがに一人でやってるだけあって、ゲロ忙しそうだった。いやはや、なんとも忍びない……
で、昨日、電話で話したあと、きっとカトウのことだから俺様が誕生日だってことも言ったんだろう。
話を聞けば、デコレーションケーキでもと言ってくれていたらしい。いやぁ~、夫婦そろってホントいいやつらだ。
夫婦になると似てくるっていうけども、たぶんあいつらは、もともと似た者どうしだ。ホント二人から感じる空気が、まるで一緒なのだ。
「ああ、ほら、そういえば今日誕生日なんだよね? 好きなの持ってって」
同じことを二人ともが俺様に言ってくれた。なんてありがてぇやつらだ。
「これ、いいの?」
「あ、うん、いいよ。持ってって」
嫁が奥とこっちとを忙しそうに動きまわりつつ、俺様たちも含めて全体を視野に入れた上でビニール袋を手渡し、そう気にかけてくれる嫁。
売り場のとこにちょんと乗ってた小さい冷蔵庫みたいのの中身を全部取り出して、受け取った袋に入れてくれるカトウ。
そんな、まるで無条件のように世話焼いてくれたのなんて、ホント、ウメくんぐらいだぜ。おまえらみんな、俺様の保護者かよ。
いやぁ~、ホント世の中まだまだ捨てたもんじゃねぇよ。
大切にすべき存在って、ホント一緒にいる時間で計れるもなじゃねぇよな。マジで。
「あ、それじゃあ、タクヤ」
と、初めてなもんだから調子こいてムダに話しかける俺様へ、空気を読んだ旦那が提案。
「ちょっと車でお茶でも行こうや」
「あ、じゃあ、近くのオシャレなレストラン行ってきたらいいしょ」
「おう、いいね。じゃあちょっと、タクヤ、行くべ行くべ」
いやぁ~……俺様はもうちょっと嫁と話したかったんだ。いろいろインタビューとかしたかったんだよ。
旦那に内緒で、カトウのどこに惚れたんだとか、二人の馴れ初めとか ────
「じゃあ、誕生日ってことで、おれごちそうするから。好きなの頼んで」
近所のうどん屋さんだか和食屋さんだかに入って、仲居さんみたいな薄っぺれぇ着物のおばちゃんからメニューを受け取ると、カトウが言う。
いやぁ~、ホントいたれり尽くせり。誕生日って最高だ。
で、まあまあまあまあ、俺様たちってば、よくしゃべることしゃべること。
そのへんのおばちゃんばりにしゃべってたな。
あそこの会話だけで一冊の本になるぞ ──── タイトル『天使と天使』 松田タクヤ著。スペシャルサンクス M.K. ──── って、今気づいたけど、おまえらイニシャル一緒かよ!!
テーブルマナーというのは、本当にその人となりが表れるんだなと、改めて痛感。
どっか食べに行ったとき、店員さんになぜだか偉そうな態度とるやつがいる。俺様は大っ嫌いだ。
お水とか新しいのもらったのに、あたり前のようにしれ~っとしてるやつとか、なんか文句つけたあとで「いや、いいんですけどね」ってまとめるやつとか。
別にいいなら最初っから言うんじゃねぇよ。
っつーかそれって、ちゃんとダメなものはダメとか、然るべきことを指摘できるしっかりした人間っていうのを示したいんだろうけど、違うと思うの。たぶん、そこで一緒に食事をともにする人もいい気はしないと思うのよ。
建前上、お店側にしたらお客様は神様かもしれんが、神様はきっと、人にそんな態度とらないんだよ。
俺様、そういう人とは、もう “ 二度目 ” はないな。ご飯を楽しい雰囲気で食べれない人とは、二度と一緒にいたいと思わない。
お食事って、ホント基本的な部分だけど、すっげぇ大事なシーンだよなと。
で、まあ、カトウは当然だよ。そんなの。
むしろ、あいつはできてなきゃおかしいよ。というより、できなきゃダメだな。俺様はそんなカトウ、認めねぇ。
そう、ちょうど俺様のお茶がなくなるかっていうときに、必ずお茶とお水を頼んでくれるんだよ。おまえは俺様の嫁か?
そんな気のきいた恋人、今まで……いや、一応いたことにしておこうか。
いや、いたよ? そりゃいたさ。
ん? ん~……いたさ。もちろん。
時は経ち、 “ ごちそうさまっつん ” してから三杯のお茶を飲み終えたころ。
「煙草吸わなくていいの?」
「あ、ああ。別にいい。なんか食後の一服がうめぇとか食後は絶対一服しないとダメなんだとか言うやついるじゃん? おれ、そういうのないんだよねぇ~」
こういう説明をはさむ俺様、カトウ、いちいちうぜぇだろうなぁ~と。
「じゃあ、吸いたくなったら出るか。言ってね」
と、お茶の湯飲みに口をつけるカトウ。
「おう」
すかさず俺様。
「じゃあ吸いたい」
「なんだよ、それ。わけわかんねぇし」
と、冗談っぽく湯飲みをテーブルにおっつけるカトウくん。
「んじゃあ、行くか」
「おうよ」
さっと伝票を抜き取って先に行ってしまうカトウ。
いやん、カトウったら。いけずなんだからん。
「ねぇ、ちょっと待ってぇ~」
「いいよ。ゆっくりして」
いやぁ~ん、男前ぇ~ん。
と、ここで俺様ふと思ったのだよ。
こういうのがカッコいいのか?
それとも、相手の準備が終わるのを待って、一緒に行くのがカッコいいのか。
はたまた、どちらが優しいのか。
いやぁ~、あんときはカトウの背中を見て、なぜだか “ やっぱ昭和の男なんだねぇ~ ” って感じた。
たぶん、現代では、後者が正解なんじゃないかなと思うのだ。
昭和の男は “ 待てない ” あるいは “ 待たない ” のがそれ。平成の男は、ちゃんと “ 待つ ” あるいは “ 待てる ” のがそれなんじゃないか。
まあねまあね、俺様がもし女ならな。カトウの対応もまた違ってたんだろうさ。
俺様はがっつり男だ。そして、俺様も間違いなく、 “ 昭和の男 ” なのである。
「あ、じゃあ、ごちそうさまでしたぁ~」
お店を出るとき、レジにいたメニューを持ってきてくれたおばちゃんに挨拶。
「うまかったっす」
またカトウに笑われた。運ばれてきた皿うどんを食べて、 “ これ、お~いしィ~ ” って『ぐるナイ』の岡村さんのごとく、大声で感想を言ったときと同じだ。
「あ、ごちになりました」
「いやいや、ハッピーバースデー」
これはおばちゃんの言葉じゃなく、カトウの言葉だ。
「おぉ~、家か」
「え? 家知ってんの?」
「いや」
「なんでここ家だってわかった?」
「いや、なんとなく。流れ的にそうかなぁ~と」
いざカトウご夫妻の愛の巣へ。
初めて嫁と会ったその日に、二人の愛の巣まで行けるなんて、完全に予定外だった。
まま、カトウがお店の前に車で現れた瞬間に、俺様が頭に描いてたあの日の予定はすべて狂ったわけだ。
俺様の予定ではあの日、俺様が勝手にお店に突撃ドキュンして、嫁と二人でお話をして、パンとケーキを買って帰る。そして、自宅に帰った嫁がカトウにそのことを話し、その夜に “ なんだよ、来るなら連絡してよ。おれも行ったのに。 ” というメールが入り、俺様はそれを読んでほくそ笑み、 “ これがサプライズというものさ ” って返事をするという設定だったの!!
俺様がサプライズだっつーの。いや、まあ、あれはさすがにお互いにだろうけども。
んでまあ、俺様たちがそろえば、話題の4割はバスケの話になる。
これ当然至極。
バスケで知り合い、バスケでつながり、バスケで続いてる。
あ、そうだ ────
──── やい、嫁!!
なぜおまえさんは、あの、あのカトウと一緒にいるのに、あやつのバスケを見ないのだ?
俺様たちからすれば、それこそあり得ないことなんだ。このバチあたりめ……
そう、カトウは “ スター ” なのだ。マジで、俺様世代の選手にとっては、スターもスター、会って実際に話さなければ神々しいオーラさえ放ってる男なのだよ。ちょっとすれ違っただけで “ おい、あいつ、カトウじゃね? なあ、あれ絶対カトウだよ ” とか、アイドルよろしくヒソヒソが起こるような男なのだ。同じバッシュ履けばうまくなれるかなぁ~とか思って、あいつと同じバッシュ買ったやつだっているはずだよ。少なく見積もっても3人ぐらいはいるはずだ。
まあ、実際に話しちゃうと、なんかやけにいいやつでさ? 性格、全然悪くないじゃん? むしろ、なまらいいやつでしょう、あいつ。全然スターぶってないし、普通におもしれぇしさ。
……なぁ~んかムカつくじゃん、そういうやつって? 同じ男として。
おっと、これは前の日記でもさんざん書いたな。カトウにも “ おれのこと褒めすぎ~ ” ってメールがきたほどだ。
いや、しかし、嫁よ ──── これは紛れもない事実なのだよ。
そう、この俺様が、この俺様がだよ?
あいつのバスケの才能にゃ、嫉妬さえしたのだ。
ああ、もったいない。ホントもったいない。あいつのプレーに興味がないなんて、嗚呼……
俺様はどれだけあいつと同じコート上、同じチームでバスケをするということに憧れを抱いていたか。
とまあ、そんなことはいいよ。
今度は、あいつが俺様に嫉妬する番だ。よく読めよ?
“ おれからバスケとったらなにが残るのよって言われつづけた男だからね ” ってカトウ本人が言ってたけども、いやはや、本人はホントわかんねぇもんなんだなぁ~、オイ。
おまえからバスケをとったら、あとにはバスケの才能以上の “ 優しさ ” が残るじゃないか。
充分じゃないか。
なあ、嫁?
黙って空になったコーヒーのカップを見せると、 “ 自分で淹れろや ” と言いつつ、またちゃんと淹れてきてくれたカトウんちを出たのは、夜の七時三十七分弱。
ずぅ~っとカトウんちで昔のバスケの試合の DVD を観てたわけだ。
そして、中体連でぶつかった俺様たちの試合の DVD を借りた。
やったー!! ついに、ついに借りたどー!!
なんでか知らんけど、めっちゃ好っきやねん、俺様、この試合。
こう、なんていうのかねぇ~……試合は試合なんだけど、熱い試合を繰り広げてるなかにも選手どうしの “ 絆 ” を感じるんだよなぁ~。なんか。
なんつーの?
同じ競技っつーのか、同じことやってる者にしかわからない感情っていうのかなぁ~……
そういうのめっちゃ好っきやねん、おれ。
とまあ、そんなわけで、帰り際に≪ましゅれ≫さんで大人気の食パンももらった。冷凍なんだそうだ。
前日、レビューを読んだら、 “ 冷凍を侮っていた ” みたいなことが書かれてたし、カトウ本人も “ 食パンはやべぇよ ” と言っていた。
「じゃあ、なんかおいしい食べ方とか教えてあげたら?」
カトウはホントいいやつなんだよ。
「あ、うん。じゃあ、食べる分だけ解凍して……」
「あ、これ、食べたいように食べちゃダメなの?」
とか、いちいちカチンとくるような言葉を挟む俺様を許せ。
「……じゃあ、今日の夕食にでも食べてね」
「おう、ありがとう」
名残惜しくもうしろ髪引かれる思いで、しかし、一度も振り返らずに帰宅。
生憎、本日の夕食はカレーライスなのだよ、お嬢ちゃん。
でも、いただいたティラミスたちは、ちゃんと食後のデザートとしていただいたぞ!!
それがこれだ……1, 2, 3.
いかんせん、あまりの衝撃に、お店の写真を撮ったあと、カメラの電源を切るのを忘れていたらしく、いざ動画って段になって “ 電池切れです ” とか言われたので、ケータイにて撮影。『 Xacti 』使えねぇ~。いい加減、もう寿命かな。
強烈に画質が悪いのは許せよ、乙女。
そう、更新が遅くなったのは、この動画の編集と、このクソみたいに長い日記のせい。
おかげで昨日は朝の5時寝だぜ。
まあいいよ。
それよりさ。
あ、これ、たぶん見れない人いるな……これクリックして見て。
IE だと見れない模様。また Cookie だのセキュリティーだのでいちいち設定のこと書くの面倒だし、書いてもわかんねぇやつはわかんねぇだろうから、右クリックでダウンロードしちゃうか、もう見るのあきらめて。
というより、ゲロデカだから、しばし待たれよ。ダウンロードすら時間かかると思うよ。
超うめぇ!!!!
『雪んこティラミス』、俺様の期待以上に超うめかった!!!!
バビんぜ?
いや、マジで。
動画ではもう食べたあとになっちゃったけど、 “ しっとりフィナンシェ ” も噂のロールケーキ “ ましゅれーる ” も、ゲロうま!!
親友の嫁だからなんて深読みはしてくれるな?
そんな下劣な深読みは、まず食ってから言ってくれ。
いや、あのねぇ~……
実際、正直言うと、カトウご夫妻にはかなり申し訳ないけど、天然素材とかオーガニックとか、素材にこだわったら美味しいのは当然だろうし、むしろそういう素材だったら、美味しくないんじゃないのとか思ってたの。
今日行って、ちょっと買ってすぐ食べても、たぶんその場限りでテキトウに “ あ、うまいね ” とか言って帰ってきて、二度と自分じゃ買うことないんだろうなぁ~ってなぐらいにしか思ってなかった。パンとかケーキとかより、今回はただ嫁と話すのがほとんどの目的だったのだよ。
味は、ほぼ期待してなかったといっていい。
ぶっちゃけ、ロールケーキなんて、今までの人生でけっこうな数と種類の口に入れてきてるし、そんなに違いなんてねぇだろうと思ってたの。実際、そのへんのちゃんとしたケーキ屋さんで買ってきたのとコンビニで買ってきたのの違いもイマイチわからないしさ。
でもね? でもねでもね?
食えばわかるよ。
うん、とりあえず一回食ってみればわかる。
いや、違うの!!!! マジで違うの!!!!
あのロールケーキはマジで感動した……食べ物であんな感動したのなんて、前に作ってもらった “ ピクルス ” 以来だ。
いやぁ~、ありゃ≪楽天市場≫さんのランキングの常連っつーのも納得の味。
店でもらって食ってたら、間違いなく、なんだかんだ理由つけてもらえるだけもらって帰ってたな、ありゃ。
俺様、自分でも予想以上にリピーター決定。
いやはや、あんなうまいロールケーキもらえるんなら、がっぽりもらえるように宣伝しないといかんな。
ガンガン宣伝して売上あがりまくったら、タダでもらえるだけもらおう。
これならもう≪ましゅれ≫さんの広報一本でいこうかなとか本気で思ってしまう。
でぇ~、あまりに≪ましゅれ≫さんばっかりやってお金がなくなったらぁ~、カトウんちに行ってぇ~、3人と2匹でご飯食べさせてもらってぇ~、カトウの試合の DVD 観てぇ~、帰ってきてぇ~、また宣伝してぇ~、シコッて寝る。
嗚呼、最高だ……いや、冗談だ。最低だ。
もう一回シコらないとダメだ。
で、またこれ、カトウんちの犬が超かわいいんだな。ミニチュアダックスっつったっけか? なんか黒くてちっちゃいやつ。
初めて会ったのに、おもむろに俺様のとこに歩み寄ってきて、俺様が座ったら、その膝の上にデコばひっつけて乗ったんだよ!!
ゲロかわ。いやぁ~、ゲロかわ。
ちなみに、こちらのいただいた冷凍食パンは、まだ食べてないのでまた後日。
いやはや、それにしても楽しい誕生日だったなぁ~。
なんかすっげぇ楽しかった。
カトウとはなんだかんだでかれこれ五年会ってなかった。
でも、またこうして会って話してみると、全然そんなの関係ない。 “ おまえら、昨日も一緒にいたよな? ” っていうぐらいの感じで話せる。
あ、そうだ。あと、俺様かと思ったら、カトウのケータイの着信も “ CTU ” の内線の音だったのだよ。ひと昔前ならみんなが使ってた着信音だったからなんとも思わないけども、今でもあれ使ってる人ってもうなかなか見かけねぇだろう。
通じ合ってることこの上ない。きめぇ……
これを俺様は “ 友 ” と呼ぶ。
親友だの心の友だのソウル・メイトだのチンゲだの……いやいや、間違えた。『チング』だの、もうそんなの古い。ちょっと言い方変えてみようが、それ以上でもそれ以下にもなり得ない。
自分に言い聞かせるための言葉なら、むしろもっと愛のない言葉をかけてやれ。そして涙を流してやれ。
ああ、今改めてわかったよ。おれ。
俺様は、こういう時間とか立場とか、なんかそういうの抜きで感じる “ 絆 ” が好きなのだ。
俺様は昔っから “ 自分らしさ ” っていうものにしがみつくようにして生きてきたけど、きっと今俺様が俺様じゃなくなって、そこから “ 自分らしさ ” っていうのがなくなっても、こういう絆は必ず残るんだと思う。
宝だ。それが俺様の財産なんだな。
まま、とりあえずだ。
年上だと事前にカトウに確認をとったにも関わらず、初対面でいきなり「おぉ~~~~~~~~~、嫁!! 本物か!!」ってのが嫁への第一声だった俺様を許せ。「ああ、噂の松田くん?」って純情可憐なその返しに、俺様は胸が痛んだぞ。そう、俺様が松田くんだ。
嫁もやっぱり心が広いな。
そして、早速 “ 土足厳禁 ” って張り紙あったにも関わらず、舞い上がって土足で厨房に足を踏み入れた俺様も許せ。
今後は、もっともっと≪ましゅれ≫の広告部長として精進していきます。
っつーか、あいつら見てたら、自然発生的に応援したくなるから不思議だ……
これも人徳のなせるわざか。
いやはや……
たぶん今日という日をきっかけに、これから先、俺様とカトウ、そして嫁とのあいだで、なにかとんでもないことが巻き起こる予兆なんだと思う。
≪ましゅれ≫さんのケーキとかパンとか、一回食べてみなよ。
きっと、いろんなことがわかるから。
- June 23, 2009 3:06 AM
- [ オーガニック素材のパンとケーキとお菓子≪ましゅれ≫ ]