え~っと、わたくし松田拓弥は、いっつもかっつも目が覚めない。目覚めも悪い。
寝るのも遅い。というか、寝ない日も多い。
そしてだいたい、決まって睡魔との激戦末、己の限界突破状態で床に就く。というより、そろりそろりと布団もめくってない状態のベッドへ、疲労コンペイトウな体をいたわるように忍びこむ。というか、ベッドで寝るという習慣が失われつつあるような気がしてならない。
そんなここ最近。
恐ろしい。
なので、以前、かの楽天市場にて“最強”との呼び声高い【スーパー雷電】という目覚まし時計を買った。
それは、どうやら“火災放置……いやいや、報知器”を彷彿とさせる代物と書かれていた。実際使ってみると、ホントそれぐらいの音がしてるんじゃないかなって思ふ。
いつも枕もとに設置してる【スーパー雷電】なんですが、俺様より、廊下1本隔てた向こう側で寝てるうちの人が先に目覚めるとのこと。薄いが、それなりの壁3枚向こう側の、うちのアパートにて隣の家の人も起きてそうな勢いを感じる。
この【スーパー雷電】の前に使ってた目覚ましでも同じような現象が起こってたらしく、しかしながら、それはあまりに俺様にとっては甘っちょろいらしい。まったく聞こえず、ほぼ無音に近かった。
起きてるときに突然鳴りだすと、多少のビビりさえある。1階にいて、お値段以上≪ニトリ≫の二枚掛け羽毛布団に覆い隠され、その上、完全に閉めきった俺様の部屋からでも聞こえてくる。鳴る一瞬前には、その気配すら放出してるようだ。
それでも最近ではまったく聞こえてこない俺様の両耳たるや、まるで、それじゃないかの如く也。
夢のなかでは、耳なしおれっち。
そんなわけで、最近じゃもうその【火災報知器】も使ってない。
1回バッテリーが切れたので、すぐさま取り替えようと思ったけど、単3はあったものの、あの時計とかによく使われてるデッカいのの替えがなく、あっさり挫折。
起きれてたわけでもないし、特に必要性はもう感じてなかったので、そのまましばらく放置した。なので、時間も狂い放題。何時かなんて求めるそんな自分がバカらしく思えてくるぐらいです。
120%狂ってます。
しかしまあ、ダメもとでとりあえず試してみようと、無尽蔵にある単3電池を、うまいことバネのあいだに挟まるようセッティングしてみた。
そしたらできた。その日ばかりは、俺様もエジソンクラスだなと関心した。自分を褒めてあげたいと感じたので、褒めてあげた。
── しかしあれ、ここんとこ、「自分で自分を褒めてあげたい」とよくテレビとかでも耳にするけども、だったら褒めてやりゃーいいじゃん。
日本人よ、謙遜するのもたいがいせぇよ。
そんなわけで、目覚ましの時刻設定のしかたは、“今から何時間後”というふうに合わせる。もう時間を合わせる気もしねぇ。
まあ、もともと何分進めてたのかもわからないぐらい進んでたし、起きたところでAMなのかPMなのかわからない状態の日もある。
たぶん俺様のなかで“何時に起きる”っていうとらえ方から、“何時間寝る”っていうものに変わったんだと思う。
俺様のなかでは、特にこれといって時間ってやつに意味はない。いや、意味を持たせないようにしてる。
腕時計もしないし、パソコンの時計も非表示にしてるし、自分の部屋には時計も極力置かないようにしてるし、あっても全部狂わせる。
自分の部屋では、基本的に自分しかいないので、それでいい。
でも人とのつながりがあるケータイでは、そうもいかないので、俺様にとっての時間は、否応なく必要を迫られるケータイだけで充分。
しかしながら、目覚ましの音が鳴らない ── もうただの【スーパー】です。いや、スーパーでもなんでもないか。
一応、イカレてはいても、時だけはしっかり刻んでるので、ただのストップできないストップウォッチか? あ、あと電気もつくので、バッテリー式日時計か? いやいや、それは時間じゃないから、ストップ・ザ・オブジェか? でも一応動いてるから、タイマーか?
おう、ただのタイマーか。それでいい。うん、それがいい。
【タイマー雷電】
一応“タイマー”のところは“スーパー”と同じアクセントで。
そんなわけでこの日は、ひさびさにコンポを目覚ましに使ってみた。
セットのしかたも忘れかけてたけど、設定は、ただ“TIMER SET”を表示させて“SET”を連打するだけなのですぐに完了。たいして画面を見る必要もない。重要なのは、だいたいがこの3つぐらい。
ON Time PM4:44 / OFF Time PM6:00 / Volume 27
この“27”というボリュームは、経験はないが、きっと乳飲み子と一緒のとこに寝てて、その突然の夜泣きをMake Loveの囁きと同じ距離で耳にするのと同じぐらいかと思われる。
あるいは、頭を洗ってて突然耳にゴポッと水が入ったときと同じぐらいの衝撃。それか、耳栓をしてるにも関わらず、外のこざかしい音が聞こえたときに頭がクラクラする感じ。
遠い遠い昔の実家にいた以前は、ハイベッドの狭い狭い枕もとのスペースにおさまりきらないラジカセを置いて、MAXで音を出していたため、起きることができた。一度はあまりにうるさいため、かるく裏拳を放ったら、逆に返り討ちに遭い、手の甲が切れた。血がボッコボコに出てきたため、そしてそのころはまだそうとうに若かったために、なまらビビッて、まだ目覚めて未明、なまらティッシュ当てた。手からの出血で、枕が真っ赤に染まった。
とはいえ、昔っからわりとそういうのが嫌いじゃない俺様は、かるいワクワク感も味わってた。きっと、戦闘前の悟空と同じ心境だろうと思う。
今もその跡が右手に残ってる。
しかし今のコンポは、完全風水密着型な部屋の構図のなかで、俺様のベッドから少し遠い。とはいえMAXの、たしか“60”では、さすがに近所迷惑なぐらいの音が出るので、それは自粛してる。
だがしかし……起きれた。
それはなぜかと問われたならば、その時刻、部屋のなかでものすごい砂嵐が巻き起こったから。
時刻もヴォリュームもその設定のままでバッチリだったのだけども、ただ音源が ── ラジオ。
しかも、ラジオを聞くという習慣がないため、というよりラジオが嫌いなため、ラジオのチューナーには、買ってからというもの1度も触ったことがなかった。それがいけなかった……
その時刻、部屋全体に吹き荒れたのは、大音量でただのこれだけ。
“サー……”
うるせぇんだか静かなんだかわからねぇ。なんか寝起きから頭クラクラしてた。
ものすごい不快。イライラもした。
せめて「ハーイ、グッチーでーす」ぐらい聞きたかった。
しかしながら、最悪とはいえ、起きれたので結果オーライかなと。
そんなわけで、だいたいの人は目覚まし時計の1つや2つ必ず持ってるでしょう。
でも、そんな使い慣れた目覚ましに飽きたら、1度試してみるといいかもしれません。
猛烈で爆裂な不快感に絶対起きます。
今までにいろんな目覚ましを試してみたけど、なにをしても起きれた試しがないという人にもいいでしょう。
早く止まってほしくて、体が自動的に起き上がるかもしれません。
まあ“猛烈で爆裂”とはいったものの、実際には、ものすごい穏やか。
気色悪いっつーのか、気味悪いっつーのかなぁ~。
かるい恐怖すら覚えるかもしれません。
映画の『リング』を観たことがある人は、それと現実との境界線を失うかもしれません。なんとなく聞こえてる状態では、かるい倒錯状態に陥ると思われます。
あるいは、『ノイズ』みたく、一瞬“この音って自分にしか聞こえてないんじゃね?”とか未知との遭遇を経験できるかも。
ただ、これを試すには、それなりの注意が必要。
起きたとき、自分のひどい寝汗にビビる。
- March 28, 2007 1:45 AM
- [ ゲロ古 ]