本日、近所の≪ダイイチ≫さんで、カサイさんをひさびさに発見。
その娘っ子は、以前の日記に書いた “ 宇宙人のように顔の小さな女の子 ” のことである。
いや、本当に書いたかどうかは定かじゃない。
書こう書こうと思ってて、書いた気でいるだけかもしれまい。
まあいい。
俺様は、髪型にちとうるさい。いや、かなりうるさい。
ずっと毎日まいにち同じ髪型、なおかつその髪型にわざわざセットするやつの気が知れない。意味がわからん。
ヘアースタイルなのに、なぜその “ スタイル ” はきっちりとした枠組みのなかにおさめるのだ?
それが自分のスタイルというのなら、仕方あるまい。
でもそれなら、毎日ニュアンスの違うスーパーナチュラルな寝ぐせのほうが、よっぽどオシャレでセクシーだと思うよ。
そしてこの年になり、ひさしぶりに “ コンビニの店員キラー ” として、その昔名を馳せた俺様の血が騒いだのであった。
カサイさんは、超事務的。
完全に近代化のはかられたレジのキーすら打たなくていい最近のレジマシーンがごとく、すべて折り紙を折っていくように客をさばいていく。
まったくムダがない。
それが本日、俺様がやった。やらかした。
「あ、ナイス髪型です」
たったこのひと言です。
一回目は、たぶんよく聞こえてなかったんだろう。きょとーんとした顔で見つめられた。
だからってわざわざもう一度言うようなことでもないけど、もっかい同じことをしっかりと伝えた。
カサイさん、なんとも完全な “ 和 ” のテイストで微笑した……
そして!!
レシートの上に載せた200円をこぼしたのである!!
レシートの上の100円玉2枚を、まかしたのであるー!!
いやぁ~、可愛いじゃないですか。実に可愛らしいじゃないですか。
単純にたまたま手元が狂っただけかもしらんし、女から言わせりゃ、そう思いたいだけでしょうぐらいなことかもしれんさ。男の王道な勘違いとかな。
でもな?
男なんだよ。俺様は。
女の勘違いよりはずっとマシだぜ。
嗚呼……
どうだい……
このなんとも幻想的で現実的なシチュエーション。
まるでドラマのようなワンシーン。
それから絶対に見えないはずもないパッケージの上の100円玉を探すカサイさん……
そんなカゴに山盛りになるほど買ってるはずもなく、たった3品で、そのなかでも一番大きくて一番目立ってるプラスチック容器の蓋の上に乗っかってる100円玉。
それを慌てて必死に探すカサイさん。
見えないわけがない。
あんなもん、完全に精神のどっかがおかしくなってなきゃ、見つからないわけがないのだよ。
ホント、見てておもしろかった。
ずっと見てたかった。
「ああ、だいじょうぶです」
「あ、だいじょうぶですか?」
蓋の上の100円玉を指で示す俺様。
「あ……」
「だいじょうぶですよ。はい」
「はい、すいません」
「いえいえ」
俺様はそう100円玉の乗ったレシートと、100円玉の入ってるカゴとを抱えて奥の台へと向かった。
「ありがとうございました」
その言葉がどちらにかかってるのかは、俺様には知る由もない。
これぞ “ 乙女 ” !!
こういうのを本当の乙女っつーんだよ。
計算でもわざとでも、たまたまでもいいんだよ。
こういうちょっとした男女間のことで動揺が走る ──── それが乙女なんだな。
実に微笑ましい。
こういうところが男の愚かさなんだなぁ~とつくづく感じる。
そういう場面に遭遇したら、その場面に恋をする。
そう、決してその人には、恋心を抱かないということ。
女の人はよく “ 雰囲気って大事だよねぇ~ ” っていうけど、それは男にとっても同じこと。
むしろ、男のほうが雰囲気を大事にすると思ふ。
男が弱いのは、そういうしぐさとかじゃなくて、そういうしぐさから生まれた雰囲気とか空気の感じなわけだな。
そのしぐさが好きだからクラっとくるとかじゃないわけ。
自分が好きなしぐさを、もう目もあてられないような豚とかブタとか、ぶたとか、きったねぇ豚とか、薄汚ぇ無理して着やせしようとしてるババアとかがやってくれたところで、惚れるわけがねぇんだよ。
そりゃ男も女も一緒っつーことだ。
嗚呼、なんと……
カサイさん、今日は本当にいいもん見せてもらったよ。
なんかひさしく見失いかけてたものを思い出させてもらった感じ。
なんかすごくいい日だ。
“ ガキ ” と “ 乙女 ” は、まったくの別もんだ。
- June 29, 2009 11:48 PM
- [ 別になんでもねぇ記録 ]