嗚呼、俺様……もう日光湿疹とかいう次元じゃないらしい。

 ヤバい……
 ヤバいぞ……
 ヤバいぞ、これ……
 マジで。


 ここのところ脳機能とともに、肌機能も著しい低下を見せているようだ。
 脳機能は、実際のところはわからないものの、肌機能は実感があった。
 自分ですら唖然とするほどの弱体化が進んでる。
 マジでここまでくると、人間として、かなり弱ではなかろうか。危機感すらある。


 先日、朝っぱらから天気もいい真夏日和の午前様。
「……ぬ?……」
 ウメくんも朝っぱらからサーキットへ赴いていて、すでにもぬけの殻。
「……おっ、こりゃ洗濯だ」
 そして早速、ガタンゴトンやり始めたのであった。


 ここでみんなに質問だ。
 Tシャツや肌着は裏返してぶっこむ。これは当然の然り。
 だがしかし、靴下は裏返して洗ったほうがいいのか?
 以前そう知り合いの女から教わった。
 しかし、またある女は、それはダメだと言うのだよ。
「あ、意外にそれ引っかかるんだよね~。靴下もたしかに直接肌に触れるものだし蒸れるけど、ニオイとかって靴からの雑菌もあるからそのまま洗ったほうがいいと思うよ」
 ふむふむ、なるほど……それもたしかに一理ある。
 っつーことでこれ、実際いかがなの?
 ちなみにうちは、ウルトラアリエールのジェルウォッシュです。


 まま、その日はとりあえず、いつもどおり靴下も裏返しにして洗った。
 おっと、あとプラス。
 靴下は、ほかの洗濯物 ─── たとえばTシャツとかYシャツとかパンツとか ─── を入れとくカゴに同じものとして入れない。脱いだら直接そのまま洗濯機のなかに放り込む。
 これいかがなもんか?


 とはいえ、それをやってるのはOne's Houseで俺様だけなんだけども、なんとなくイヤなの。
 俺様の習性として、どんなに親しかろうが恋人だろうが、他人の足っつー部位だけは、どぉ~~~~~~~~~~~しても直接には触れないのだ。
 汗だくになってる女をそのまま抱きしめることもできるし、テーブルに落ちたものを拾ってそのまま食うやつも気にならない。むしろ、それを、たかがテーブルに落ちたぐらいで、フーフーして食べようともせず、捨てるようなやつのほうが嫌いだ。
 2、3日シャワー浴びてなかろうが、半日や1日のドライブ直後のシートから下りたてのマンコだって、自分のヨダレなのか愛液なのか判断つかなくなるまで舐めれる。
 でも、足だけは……
 足だけは、どぉ~~~~~~~~~~~~~~~してもダメなのだよ。
 シャワー浴びたりお風呂に入ったあと、それで初めて、ちょっとはマシというか、触れって言われたら触れるぐらいになる程度。
 というより、自分の足すら触れないのだから、んなことは言うまでもない。


 水虫は感染る。


 それを知ってからというもの、そうなった。
 別に水虫じゃないってわかりきってる人だとしても、触れない。たとえ“無菌です”ってJASマーク付のシールが貼ってあっても無理だと思う。
 足で突っつかれようもんなら、きっと即行で洗面所へダッシュするだろう。 
 触れるのはきっと赤ちゃんの足ぐらいかと思う。
 というより、きれいな足をしてる人っつーのは少ないし、汚くみえる足の人が多いんだ、実際。
 足の爪が汚く見えたり、実際黒くなってて汚かったりすると、もうその足が踏んだ軌跡同じところを踏むのもイヤになる。


 なので、自分の足の爪を切るのにしたって、シャワーを浴びてすぐじゃないと、自分の足すら触れないから切れない。
 ちょっとでも時間が経ったり、自分のスリッパを履いたっていうことを経ても、俺様の足の爪切りは、翌日へと繰り越される。
 シャワーで体を洗うものも、足を洗うものだけは別のブラシを用意した。足専用ブラシ。
 それは、足以外、絶対に、なにがあろうとほかの部位には触らせない。ボディーシャンプーをつけても、手で馴染ませるというようなこともしない。その裏側にあるバンドに固定した手以外、なにも足には触らない。
 で、使ったあとは、体を拭いたあと、ドライヤーでブラシ部分の水分飛ばしも兼ねた熱殺菌をする。


 だから、洗濯したばかりの靴下も、サンタさんがプレゼントを入れてくれる部分には一切触れない。履くほうの口が開いたほうをつまんで干す。
 自分の靴下を洗濯機に放る前、裏返すときは、使い捨てのゴム手袋を必ず着用也。
 靴下を脱ぐときは、すねとかふくらはぎのところに指を突っ込んで、多少足の指を折り曲げた状態でそろ~りとはがしていく。すると、うまいこと脱げたときには裏返しの状態になるというわけ。
 これも慣れだ。


 もうかなりのところまできてる潔癖症だと自分でも思うけど、そうなってしまった以上しょうがない。もしかすると病気かもしれない。一度気になってしまったものは、取り返しのつかないところまでいってしまう俺様の性分。
 どうにかならんか、この性分?
 かといって、別になおそうとか思って努力してるわけでもない。


 そんなわけで、それとこれとは別の話だ。
 洗濯も終わり、支柱の折れた物干しに全部かけた。


 でだ。


 時節は夏。真夏ではない。残暑ざんしょ。
 天気もいい。ほどよく風も吹いている。
 こりゃやらないわけにはいかないざんしょ?


 カーテンのような窓をうっすらを覆う布は上がってた。窓もすでに開いていた。
 あとは、物干しを移動するだけだ。
 俺様とちょっといい感じぐらいの背丈なやつをかるく持ち上げ、表面張力を利用してると見せかけるように移動させることものの5歩。


 しかォアーーーーーーーーーーーーーーし!!


 窓から射しこんでくる晩夏の陽射しに触れた一瞬あとから、その部分だけ腕がチリチリしだしたのだよ。
 最初はなんだかわからなかったし、さすがにまさかなと思ってた。
 でも、まだ小学校のころは楽しんでいたあのヒリヒリ感。
 バッコシ日光が入ってくるほど日当たり良好っていうわけじゃない。本当にその部分だけなのだよ。
 歪んだ平行四辺形……


 窓際からはずれて、居間の日陰に戻ればなんともなくなるのだよ。
 試しにもっかい日光に当たってみたところ、案の定チリチリしだしやがる。
 あれは間違いなく、そのまま無理すれば軽度の火傷する。


 なので翌週の洗濯のときは、うちの人もまだいたので、物干しの移動の際は、わざわざ外にいるところを中に呼んでやってもらった。
 事情を説明したら、「ああ、それはホント弱すぎるわ」と失笑ぎみに言われた。


 ……嗚呼、ホント弱だ。
 顔はなんともない。
 日焼け止めを塗るほどマメではないし、やるなら毎日だし、そんなの面倒くせぇ。
 だから顔はきっと慣れてんだな。
 しかし、俺様の腕や手は、通年手袋アンド長袖。
 でもさすがにここまで弱体化してるとは、俺様の想像をはるかに凌駕してたぜ、まったく……
 『パウダー』みたいになるのも、そう遠くない未来のような気がしてきた。


 こいつは危機だ。
 でも、今後俺様の体は、さらにどのように進化していくのか楽しみでもある。
 たかが日光。
 ナンボのもんじゃい!!

  • September 16, 2007 2:29 AM
  • 松田拓弥
  • [ ゲロ古 ]

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