いやぁ~、ついに……
ついに……
北海道にも上陸したみたいじゃないのさ……
豚!!
豚が!!
この豚野郎が ──── !!!!
なんか20代だかの男性らしい。
ワイハに行ってたようだ。一緒に行ってた人も感染してたみたい。
“ 豚インフルエンザ ” さんが、ついに北海道上陸!!
世の女将から厳格な外出禁止命令でも出されねぇかなぁ~。
しかしなんでかねぇ~……
犯罪者にも人権がどうのこうの言ってるわりには、ニュースじゃ絶対 “ 容疑者の男 ” とか言う。
ほかの場合だったら、なにがなんでも “ 女性 ” とか “ 男性 ” っていう表現するくせに、そこだけは必ず差別する。
人権ってなによって思う。
っつーか、人権に基本もクソもねぇだろう。応用された人権なんて見たことねぇよ。
……って、え?
あ……あ?
んあぁぁぁぁぁぁ ──────── ?
まさかウメくん……そういえば最近……
だって、今日だって……
まあ、彼はだいじょぶだろう。
ワイハになんて行ってねぇし、ホント風邪ひかねぇ男だ。少なくとも、俺様よりは風邪ひかない。
いや、あ、まあ、違うよ? 全然、そんな昔っから腐りかけのりんごたちがこぞって言う意味でじゃないよ?
今日はすごい雨だったし、きっと眠かったんだろう。
俺様もそうだ。
俺様は雨が好き。大好き。
無意識のうちに “ あ ──── 今日、おれの日だ ” とか感じてる。
外に出たとき思わず舌打ちしてしまうのは、俺様が否応なくそのなかに溶けていってしまうから。
雨が降る日は、俺様が消える。
雨は俺様にとって、地球にとっての満月と同じ。
雨に反射する光の照り返しで俺様が映っているだけな気がする。
そこから俺様はいなくなる。
きっとそれは、どこかのだれかなんだと思う。
そして俺様は、どこかのだれかになるんだと思う。
雨が降ると、なぜか心が休まる。昔っからそう。
音がいい。響きがいい。
そしてあの、粒子がいい。
水であり、光である。影であり、岩である。草花であり、空である。
俺様のすべてを優しく愛でてくれる。
雨ってたぶん、あれ水じゃねぇな。
思わね?
水っちゃー水かもんねぇけど、水じゃねぇっていえば水じゃねぇ。
そもそも、水ってたぶん、その水自体が水じゃねぇと思うの。
水は水であって、水じゃない。
嗚呼……
キモい。
そういうの、ちょっと調子こいてるよな。たぶんそういうこと言うやつって、実際自分でもたいしてわかってねぇと思うよ。ちょっとそんなふうに、まやかし程度なミステリアスさに憧れてるだけだな。
別に、そんな言いまわしで言えるからって、ちょっと頭よさげな感覚になれるかもしれないけど、実際には全然頭よくねぇし。よくもなってねぇし。
“ ミステリアス=興味を惹く ” っていうのは成立しないからな。
なんかもう突き詰める気にもならないけど、水は、ただただ水じゃねぇの。
たぶん突き詰めてああだこうだ考えてみても、結局は “ そう感じるから ” で円くおさめたい。科学的に化学式がどうのとか言われてもピンとこない感覚だ。
論理的に解説されたところで、俺様は確実に負けると思う。簡単に論破される。
でもそれは、単純に “ 答えられない ” だけであって、その理路整然とした解説が正しいからっていうことじゃないと思うわけ。
芸術に対する論争ほど無意味なものはないでしょう。楽しいけど。
まあ、なんとなくだな。
水こそ、最大にして至高の芸術なんではないかと俺様は感じるときがある。
なんで晴れや青空、雲の写真は吐いて捨てるほどあるのに、雨の写真は全然ないのか。ただ雨を描いた絵というのはないのか。
青空や晴れには感動しない。晴れは晴れで、空は空でしかない。
晴れも空も、いつも変わらない。雲が出てこようが、それも雲でしかない。雲が生まれてどっかいくだけだ。
だれがどう撮ろうが描こうが、大差ない。
空は、その人のなかの、なにも映さない。青空や晴れ空、雲なんてのは、ちょっと自己主張が強すぎる。
ただし、雲っつーのは、そこに含まれるものが違う。
雨だからできることがあって、水だからできないことがあって、川や海には無理でも、雫にしかできないことだってある。
雨っていつもバラバラなんだ。
いたるところに降り注いで、逃げ場なんてどこにもない。
逃げられないなら、受け入れてしまったほうがずっとラク。むしろ、気持ちよくさえある。
今日は雨が降ったからどこにも行けないんじゃなくて、雨の降るそこがどんな表情を見せてくれるか。
ダメでもいい。ヘコんでもいい。全然きれいな景色じゃなくたっていい。
また来たいって思えるから。
雨はいつだって、なんの妨げにもならない。
雨粒の向こうは、いつだって見えてる。
ただ自分が濡れたくないってだけのこと。
だれかを濡らしたくないってだけのこと。
雨がただの水であるなら、しょっぱい日もなければ甘い日もない。
虹をかけたり、人のなかの時計を狂わせたりもしない。
雨は時に味があったり、それが光になったりする。
だから雨は水じゃないんだ。
雨はいつでも雨なんだ。
……ということで、定額給付金はいつもらえるのかなと。
楽しみにそんなことを考えつつも、いつも考えるだけで喜んでしまう俺様は、今日も雨に打たれて……
「うたれテンテンテン」である。
ライターとしてのお仕事募集中です。
余韻を残すような書き方は、イマイチ “ 逃げ ” のような気がして好きじゃない。
だけど、雨は、そんな俺様に “ 考える ” ことをやめさせてくれる。
だから、好き。
今後はちょっと、そうだ。
“ 俺様の雨 ” も記録していこう。
そして今回ので、3528文字。
意外と長かったらしい。
- June 12, 2009 12:43 AM
- [ 別になんでもねぇ記録 ]