『Marlboro ONE BLACK MENTHOL』を吸ってみた。

　いやはや、ついにあの『 Marlboro 』さんも1ミリだしますか!!
　あらあら、やっぱ時代の流れなのかねぇ～……

　『 Marlboro 』っつったらよ？
　正式名 “ マルボロ ” なのか、 “ マールボロ ” なのか、中学生のとき、ちょっとばかり早咲きしちゃったチンピラ衆たちに突かれたもんだ。
　当時は “ マルボロ ” っつったら、 “ あぁ～、おまえ今、マルボロっつったぁ～。マールボロなのにぃ～ ” とか言われてな。
　かわいいねぇ～。実にかわいい。
　どっちでもいいんだよ、んなもん。
　きっと “ マルボロマン ” なんて男に歴史まであるなんて、だれひとり知らないまま育っていくんだろうな。そして初代の “ マルボロ・マン ” さん、患った癌が煙草のせいだっつって裁判まで起こしてるらしいじゃない。
　やっぱ時代ってやつは、時間が経つより早く移ろうみたいだな。

　そしてそして、高校生にあがったらば、今度は『 Marlboro MENTHOL 』っつー煙草将軍に人気が集中。
　みんな吸ってたな。ホント。男女問わず。
　みんな “ マルメン ” ──── あるいは、 “ マルメンライト ” 。
　それじゃないほうがおかしいぐらいの勢いあったもんな。
　煙草ちょうだいって言われて、そのマルメンじゃないとわかると、どっか違う人を探す。2、3人に聞けば、必ず一人はいたもんな。

　あの流行モノ嫌いで有名なウメくんでさえ、一時期はそれ吸ってた。
　まあ、彼のことだから、みんな吸ってたからなんて理由じゃなくて、単純に吸いやすいからとかなんだろうけどな。
　ウメくんはどうも、 “ 茶色いフィルター ” というのに、この上ないこだわりを持ってるようだ。唇にくっつかないんだそうだ。
　しかしながら、たしか “ マルメンライト ” は白かったはず。そこらへんから “ KOOL ” に変えたんじゃなかったかしら？

　で、専門学校に入ってから始めたバイト先の先輩さんは、その『 Marlboro 』しか吸わないという方だった。
　絶対、赤。
　そして、一番キツいやつ。とりあえず “ マルボロ ” っつったら、まっさきに頭のなかで描けるやつだ。
　なにやら ──── 多少強引だけど、これ広告だよ。≪ ツタヤ・ディスカス ≫さん ──── 『ミッドナイト・ラン』っていう映画で、主演のロバート・デ・ニーロが吸ってて、それがめっちゃカッコよかったんだと。
　たしか刑事だか捜査官だかなんかで、強盗だかの犯人を逃がすんだったかな。そう、自分がその煙草を吸ってるあいだに。

　俺様のまわりにはいなかったけど、たしかにカッコいい男はみんなマルボロっていうイメージはあったな。特に映画観てるとさ。
　俺様のまわりのやつは、逆にカッコ悪くさえ見えたなぁ～。なんでかなぁ～……
　流行りに乗っかってるだけとか、なんかそういうんじゃなかったなぁ～……
　なんだべ？
　なんか中身のないやつが吸ってたような気がするな。
　そんな曖昧すぎる記憶の暴風・波浪注意報。

　さて、なぜ俺様は１ミリの煙草しか吸わないかというと、それはそっちのほうが体にいいから。
　なに吸っても一緒なんだよな。
　また言ってるな、おれ。これ。

　“ １ミリって吸ってる気ィしないじゃん ” とか “ １ミリ吸うぐらいならやめれば？ ” とか言われるけど、そういうことじゃねぇんだな、これが。
　たぶん、煙草吸ってる自分の姿が好きなんだと思う。
　それこそ、バイトの人じゃねぇけど、だれかへの憧れじゃなくて、煙草吸ってる自分への憧れって感じ。
　口もとが寂しいとか、ヤニ切れとか、たぶんそんな中学生やくたびれた大人たちのジョークにもならねぇ言い訳じゃない。
　大昔、 “ 煙草吸ってるの、やたら似合うよね ” と言われたのが始まりか？
　──── いや、違うな。
　そこはどうでもいいんだよ。

　煙草って、なんか美しいんだよな。煙草からくゆる煙と。
　これぞ神の御業かってなぐらいの曲線美。
　ん～……たぶんこれ、美化しすぎだぞ、おれ。
　実際そんなこと思いながら吸ってねぇもんな。
　でも、絵になるよ。煙草って。やっぱ。

　ヘビーなの吸おうが１ミリ吸おうが、刺激は一緒。別に本数が増えたりもしない。
　だったら１ミリ吸ったほうがいいってだけのこと。
　合理主義。

　じいちゃんが吸ってた “ わかば ” ってのは、さすがになくなればいいと思ふ。あ、あと “ echo ” も消えていい。
　あれはさすがにキツい。
　けど、 “ PEACE ” は吸える。
　毎年、元旦の日に吸う煙草は、その年の願いもこめて、なんとなく名前に祈りをこめて買う。それまで吸ってたのは全部捨てるか、ウメくんにあげる。
　最近じゃ “ え？　なんで？ ” とか “ もったいねぇ ” とも言われなくなった。
　これはどんなにお金がなかろうと、外が猛吹雪だろうと、毎年恒例。
　0:00 と同時に一人で外に出ていく。
　そして、そのときつけてるマフラーとか手袋も、全部帰り道の途中で捨てていく。初売りあたりで新しいのに買い換える。
　古い荷物は全部捨てていくのだよ。

　ちなみに今年は “ PEACE ” ──── “ 静けさ ” とかはいいんだけど、“ 事なかれ主義 ” って願いはない。
　去年は “ LUCKY STRIKE ” ──── ストライク・ゾーンに暴投しまくってた。実に楽しい一年だった。

　たぶん、こっからが本題。
　こちらの『 Marlboro BLACK MENTHOL ONE 』、俺様は、なし。
　メンソーレがキツすぎるのだよ。
　なんまら喉が痛ぇ。

　で、このためにちょっと調べてみたら、どうやら『 Marlboro 』って『 PHILIP MORRIS 』の仲間らしいじゃない。
　だいぶ前に『フィリップモリスペッパーミント 1mg はメントールが強すぎてノドが痛む。』っての書いたけど、納得だ。
　1ミリのくせに、メンソールが強すぎて吸いつづけられない。たぶんこれ吸いつづけたら、喉がやられる。
　“ フィリップモリスペッパーミント ” 吸ってた当時、ホントに常々喉が痛んで、ポリープでもできたんじゃねぇか本気で心配したほど。

　ちょっとこのパッケージ見た瞬間、 “ あ、これ、おれ ” ってズバビッとなんか感じるものがあったんだけども、やっぱなし。
　けど、おまけでついてるライターはオシャレ。
　そして、香りはとってもハービーなの。すっげぇいい匂いする。
　後味っつーか、んな言葉ないけど後香っつーのか、残り香っつーのか、フィルターに鼻近づけただけで匂いが違う。煙草のフレイバーじゃない。
　もう買わない。

　あん ──── おいおい、向かいの家の2階の部屋の電気がついて、たまたま視線がそちらに移ったんだけども、レースのカーテンの向こうにポンの女体が!!
　裸婦だ……
　観音開きの箪笥からなんか取ったあと、なんか前屈みになって、なんかしてんぞ!!
　お風呂あがりかな……
　ありゃ嫁だな。子供たちはまだ幼稚園ぐらいの娘しかいねぇもんな。
　ん～、どこが乳なんだか……あ、電気消えた。
　バレたか？
　まあ、ついついじっと目を凝らして、思わず細めてしまう俺様って、ホントかわいいな。
　まだまだ思春期の心を忘れてないぜ!!

　っつーわけで、もうこれ以上、煙草の値上げはやめて!!
　どうせなら酒税で稼げよ、このクサレうんこちんちんどもが。
　煙草なんてもう落ち目なんだからよぉ～。お酒のほうが絶対税収あるだろう。
　ワインとかシャンパンとかはセレブさんたちが湯水のように消化してくれるし、日本酒なんて今や国民的お飲み物になってるし、ビールなんて男も女も絶対やめらんねぇべ。おっさんなんてもう中毒だろうよ。
　“ 酒は百薬の長 ” だって ──── これもね ──── 『酔拳』の師匠も言ってたけど、実際飲まれてるやつのほうが多いじゃん。
　そしたら、警察もいくぶんかは仕事減るんじゃね？　ほら、税金もうくぜ？
　まあ、んなことしたところで消費は減らないんだろうけどさ。

　なんだ？
　国民の支持率か？
　煙草税あげるより、酒税のほうが確実だわな。
　煙草の吸いすぎによる害より、慢性的にはお酒の飲みすぎによるそれのほうが多いんじゃねぇか？
　こないだ “ 煙はぶつかった ” っていうマナー実践して謝ったたら、そのまんま無視されたぞ。

　お酒に頼らなきゃ守れない強さがあるんなら、それも全部受け入れられる弱さを自分のなかに探すべきなんじゃないか？

　1ミリだろうが8ミリだろうが、煙となる時間は同じなんだ。