ハイスピード・チャリンコ乗りとしては、まったくもって最悪の季節がやってきた。
道が汚ぇ……実に汚ぇ……とってもダーティー。
走るのがイヤになる。飛ばすのがイヤになる。
でもそれだと遅刻する。
おっかさんが言っていた。
「焦るぐらいなら、焦らないように準備しておけ」
いや、言ってない。そんなこと、だれも言ってない。
ただ、みんなわーってることなだけだろう。でもできてない。
“備えあれば憂いなし”とはよく言ったもんだが、備えれば備えるほど不安になることもある。
たとえば恋愛。
万全な準備で駆け引きを仕掛けてはみたもの、それで嫌われたらどうしようとか、もうちょっとこうしたほうが良かったかとか、それはきっと自分のなかに眠る神様への供えものになるだけだ。
人が言う。
“噂をすればなんとやら”
なぜ濁す。なぜたかが“影”ぐらいを出し惜しむ。
“影”ぐらい言ってやれ。
俺様の自転車には泥除けがついてないので、はねっ返りな泥が俺様の素敵なリュックやジャンバーに容赦なく飛んでくる。バチンバチンやってくる。
おかげで無意味にUS Army。変な迷彩柄が施された。
しかも夜になると、突然しばれるため、昼に溶けた雪がまた凍ってガチンガチンの轍を作ってやがる。
ハンドルはとられるし、タイヤはゴリンゴリンに曲がりくねるしで、常に座礁と隣り合わせだ。
ただ?
ここでちょっと発見したことがある。
この時季は、マウンテンバイクより、細いタイヤのオフロード自転車のほうが走りやすい。
そんな変な轍も、それ以上に細いタイヤなら、これと決めた一本をうまいこと走り抜ければ問題なし。
これがマウンテンバイクとか中途半端に太いタイヤの自転車だと、突然ゴリッと横滑りしたり、おさまりきらないタイヤが暗礁の上で不可思議ダンスを踊るのだ。
このとき、半立ちこぎの姿勢で、ひざは完全に力を抜いて、ハンドルを切るときも、腕やひじだけじゃなく、肩全体を使って操作するとよい。万が一コケそうになっても、とっさに自転車からダイビング前転でかわせるから。前転はよりカッコイイというだけで、必須ではありません。あくまでオプションです。
そしてもう1つ。
急な寒さでブレーキが凍ったときは、無理に止まろうとせず、遠慮なく雪山に突っ込みましょう。
- March 26, 2007 7:38 AM
- [ ゲロ古 ]