……そんなわけで、俺様大失態。
本気でもう連休に突入したんだと思い込んでいた私は、バイト大遅刻。あわよくば休む気だったという始末。
ということで、なんとかこの大失態の正当化を試みてみようか。
まず第一。
うちの人が出かけていった。ちょっと早めに、しかもちょっと出かけてまた戻ってきたときにはもういないという早業だったので、きっとサーキットだ。そう睨んだ。
── そりゃねそりゃね、だって連休だもの。大好きなサーキットにも行くさ、そりゃ。
その二。
週末に入る前、もう1人のバイトの人と話した。まあこれはいつものことで、連休なんかがあると必ずその日の出番のことで話し合う。というか、単なる確認だ。
「ああ、その日っておれ出てもいいんだよね?」
「ええ、そうですね」
「いつもどおりだよね?」
「ええ。じゃあ、日曜日はおれ休みですよね?」
「うん。じゃあ今月って、松田くん全然こっちの仕事しないんじゃない?」
「あぁ~、そうですね、そういえば。え? でもそんなにですか?」
「うん、たぶん……だって日曜はおれ出るしょ?」
「ええ」
「で、その次は月曜だからないし、そのあとだって平日はおれ出るからないしょ?」
「ああ、そうですね」
「そしたらもうあとゴールデンウィークでしょ?」
「あ、そっか。そうですよね。うわっ、したら今月休みすぎじゃん、おれ!!」
って言ってもその話する前からもう連休だっていう頭でいたな、おれ。そういえば。
── そら“日曜”だ“土曜”だっていう言葉しか出てこないし、そんな話するってことは勘違いもするわな。次の日はもう定休で休みになってっし、そしたらもう今度の日月がもう連休だって思っちゃうわけよ。
とはいえ、きっとその直前ぐらいまでは、その日がバイトだっていう意識はあった……はず。いや、あった。
この日曜のバイトっつーのだけは、日ごろのバイトへの意識とは全然違って、“寝坊”っつーのが許されねぇのだな。俺様ひとりしかいねぇんだから。
それでもなお、以前にそいつをやらかして、え~らい迷惑かけた。さすがにあれはかぁ~なり堪えた。
そんなわけで、それからというもの、前日徹夜したとか早朝に起きたあと寝てなくてどんなに眠くても、その日はそのまま寝ないでとりあえずバイトには行っておくという自分のなかでの決まりごとを作ったわけだ。
だから昨日も昨日も寝ないでそのまま行っちゃおうって起きてたわけだ。
しかし寝ちまった……もう目ぇ開けてらんねぇの。
日付の感覚がまるでねぇ。たぶん、曜日の感覚もねぇ。
ただその日はバイトが“休みの日”か“そうじゃない日”かっていう基準でしか日々の区別がねぇ。
っつーかよ。
だれもいねぇからって、その人が来るまでだれもその仕事ができねぇっつーほうがダメなんじゃねぇか?
それをやらなきゃいろんなとこに不具合が生じてくるんだろうさ。それはきっと誰もがわかってる事実なんだから、だれか一人ぐらいはやれなきゃいけねぇ。しかも、もうヤバいっていうギリギリになるまで誰もやらねぇわ、なんの連絡もなしっつーんじゃ、万が一ってこともある。
人間だれもが“あり得ねぇ”とか“まさかあるわけない”とか、“そんなうまい話ない”とさえ感じてるような非現実としてある事故っつーもんがあるわけだ。そりゃもう“今事故ってICU入ってから行けません”なんてケータイからの連絡どころか、そっちに連絡もつかねぇし、誰も知らせることなんてできないわけだよな。
そのときはすべての仕事が終わるっつーことだ。
いいのか、そんなんで?
……って、無理。
どんなにがんばっても正当化なんてできやしねぇ。
この大失態、だれのせいでもありゃしねぇ。責任転嫁できる相手さえ見つけられねぇ。スケープゴートもゴットゴト煮詰まってるだけだ。
カレンダー見ればいいだけの話。っつーか、ケータイも見てるし。
ただただおれの大失態。
ホントバイト先に着くまでのあいだ泣きそうだった。ってか、ちょっと泣いてた。
悔しい……マジ悔しい。
こういうときの俺様ったら、ホントだれそれへの迷惑とかそういうんじゃねぇ。そんな大失態をやらかした自分が悔しいってだけになる。
驚異的な自己中だ。
“寝ないで行く”なんて決まりごと作ったったって、寝ちまったら、それじゃ全然決まりごとになってねぇんだよな、おれ。
甘ぇ……マジ甘ぇ。
普段寝ないのも、結局は自分に甘ぇだけのことなんだよなぁ~って思う。
どんなに徹夜で作業したからったって、寝ないことでほかの事柄に影響が出るんなら、それは単なる自分のわがままでしかねぇ。ってか、徹夜すれば効率が下がる。それは当然のこと。作業は進むかもしれないけど、やっぱしチョクチョクでしかない。
“徹夜で作業”っつーのは、ただの自己満足。それは勝ち組のやることじゃねぇ。負け組特有の自分の能力のなさを自己満足で補うための捨て身の術でしかない。“仕事が終わらない”っつーのは、それを終わらせられるだけの能力がないってだけのことだ。身を削ることでしか保たれない優越感。自尊心。
まさに裸の俺様だ。
で、こういうのをけっこうズルズルと引きずるのも、また俺様の器の小せぇとこなんだよなぁ~。マイナス思考とかネガティブとか、くよくよしたりグズグズしたりくすぶったりってことはないけども、なんかこう……しこりになる。かといって開きなおることもできねぇ。
いやぁ~、ホント小せぇな、おれって。
自己管理の甘さにほとほと虫唾が走る。おまけに詰めも甘い。
それでいて、語ることだけはいっちょまえだ。
鈴木京香さんが出てるCMで言い放つあの言葉 ──
「わかってるだけじゃ、なにも変わらないんです」
俺様の脳髄に染み渡る。
で、こやってあとの祭りみたいに自己責任を自分の責任よろしく、ただのはけ口を求めてるだけの責め句を並べたところでもうどうしょもねぇのもわかってるのが、また心苦しい、そして見苦しい有様さ。
- April 23, 2007 2:36 AM
- [ ゲロ古 ]