そんなわけで、ゴールデンウィークもほぼすべていつもどおりに出勤したわけだ。
巷じゃ9連休だの5連休だの騒ぎたてておったもんだ。
だがしかし、俺様としては特にうらやましがったりはしない。
“よそはよそ、うちはうち”
次長課長の河本さんじゃないほうの井上さんが言ってた。たしか『ごきげんよう』かなんかで出たとき、お母さんから言われた印象に残ってる言葉なんだそうだ。
── たしかに。
こいつは俺様が選んだ道だ。んなもん、よそをうらやましがってたんじゃ~、わざわざ選んだ甲斐もないっつー話よのぅ。
なんも就職して安定したお給料もらう暮らしに憧れるさな。ボーナスもらったらパーッと旅行にでも行って、パクられない程度にwinnyやなんかでエロ動画でも溜めこんでさ。
って言ってもさ……
そーゆーのしてぇーーーーーー。俺様もそういうことしてぇ~なぁ~。
パスポートで旅行とかしちゃったりィ~、“Premiere Pro”とか“Final Cut Studio 2”とか高いソフト使ってるのにエロい動画とか編集してみたりィ~、ムダに天体望遠鏡とか買ってみたりしてみてぇ~……
おっと、いけねぇ。ついつい本音が出てしまった。
それはなぜかと問われたならばだ。
ゴールデンウィークで、なおかつ国民の休日であるSundayにだ。
突然の腹痛にやられたのよ。それも激痛さ。
明日っからまた平常営業の日常に戻るんだっていう予兆的なストレスからなのか。って言っても、むしろいつも以上にちゃんとバイト出た気ィするぞ?
なんか変なもん食ったか?
いやいや、んなはずは……あっ。あぁ~、なるほど。ガムの食いすぎか?
なんか最近のガムってさ?
パッケージの裏側に“食べ過ぎるとおなかがゆるくなることがあります”とか書いてんのよ。それ?
ゆるくなるのと痛くなるのって同じ? 違う? 似たり寄ったり? 症状的には微妙に一緒?
そういうことにしておこうか。
しかしこのゴールデンウィーク、体調に恵まれなかったなぁ~。
ダルいし、ハライタだし、アタマイタ ── それは頭痛でいいか。
って、それもまた突然だったっけな。しかもこれまた激痛。
あ、そういや、前に観た『ロード・オブ・ドッグタウン(Lords of Dogtown)』って映画のなかで、すぐコケるボーイが1人いた。
昔、世界的なスケボー・ブームを巻き起こした実在の青少年たちを描いた映画。実際には役者さんだけど、長編ドキュメンタリーって言ってもいいぐらいかな。ゲロカッコイイんだ、これがまた。
で、そのボーイの話だけど、最初は、みんなすれ違いざまに大声だしてからかったりしてたわけだけど、あとからその少年、脳腫瘍だってことがわかったわけだ。それで平衡感覚がおかしかったっつーことだ。
で、それ? おれそれ?
オイオイ、脳腫瘍か、俺様?
なんか『たけしの本当は怖い家庭の医学』とかでも“立ちくらみを侮ってはいけません”みたいなこと言ってなかった?
俺様、立ちくらみすごいよ? お店でちょっとしゃがんで物色したあと立ち上がったぐらいでくらむけど?
1日寝た次の日、一発目の煙草でクラッとするけど?
あ、それは単にひさびさの有害物質ってだけだな。
ってな?
けっこうこうやって自分のこととなると大げさに言いたがるやついるよなぁ~。
『バンディッツ』ってケイト・ブランシェットとブルース・ウィリスが出てる映画のもう1人、ビリー・ボブ・ソーントンの役どころの性格、わかる。あそこまで神経質ではないけど、わかりますよ。いや、もしかしたらあれぐらい神経質かもしれねぇな、俺様。
日常的に飲んでる薬とかサプリメントがなくなったら、それだけでもうなんか不安になっちゃうのな。別にそれが直接病気とかに効果示してるってるわけでもないのに、それがなくなったっていうことからくる不安がまた追い込むって感じ?
わかっちゃいるけど、やめられねぇってやつか。
野菜がないと買いに行き、水がないと足しに行き、マルチビタミンのサプリメントがなくなったら、毎日飲んでるってわけでもないのにコンビニへ走る ── って、マルチビタミンなんぞ飲んでねぇ。
いつもあるものがないっていう不安は、ホント不安にさせるわな。自分のなかの“あたり前”がなくなるっていう不安と、なくなったっていう不安と、そこから派生して自分に影響を及ぼすかもしれない不安と、そんな自分への不安。そして、いざその“あたり前”がなくなってみても、なんら変わらないんじゃないかっていう不安と、期待。
ってか、たいがい完全になくなる前に買い足しに行っちゃってるよな、実際。
そんなわけで、そんなゴールデンウィークを過ごすなかで、バイト帰りにふと写真を撮ってみた。
ひさびさだ。ホントひさびさ。しかもチャリンコこいでるのに、わざわざ止まって撮影なんざ、いまだかつてなかったぐらいの体験だ。
それがこれ。
Mr.Childrenの桜井さんが歌ってる“彩り”って、きっとこういうことなんだなって思った。
その美しさを外から眺めるんじゃなくて、そんなかに入ってみること。そして、そこから見えるものを見て、感じることを素直に受け入れること。
バイト帰りの道に、あたり前のようにそこに咲いてた花。
あたり前のように色づいてる景色。
そしてこの写真を撮って初めて、このなかで一枚だけ枯れたような色をした葉っぱがあるってことに気づいた。
そんな景色 ── “彩り”に気づいていくんだなぁ~。
あぁ~、世の中、バラ色と言い切れるのもまたいいかもしれんが、枯れゆく色もまた素敵だ。
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- May 6, 2007 2:07 AM
- [ ゲロ古 ]