俺様の小学校のときのミニバスの顧問は、三浦先生 ── 略して“ミーセン”だ。

 B専:恋人はブサイク。


 今巷の女性たちのあいだで、その“B専”なる“彼氏はブサイク専門で”っつーのが話題を呼んでいるらしい。こないだテレビでやってた。実際にそういうカップルを番組内で紹介してもいた。
 昨日か? おとといか? いや、おとついか? んじゃ、一昨日って書いておこうか。


 なんかインタビューのなかでは、さんざんなこと言ってた。
 自分をその“B専”だという娘さんのお母さんも賛同していた。そこに一人、片耳のピアスを揺らしながら反論するお父さんが、なんとなく強くたくましく、そしてカッコよく見えた。
 で、恋愛サイトに登録する女性たちの談合でも、これまた“ムカつく”だの“最悪”だのぶちまけてた。
 まさに言いたい放題だった。


 番組のなかでは、いろんな段階を踏むようにして“B専”を紹介していた。
 まずは“mixi” ── そういうコミュニティーがあって、現時点で1326人だかのメンバーが所属しているとのことだった。
 で、それからは具体的な紹介。前は顔で恋人を選んでたという女の子から、“B専”をかたる女性が選んだ夫婦。そしてそんな女性たちを恋人・妻に持つ男たちの風景。


 で、その女性たちが、いわゆる“イケメン”な人たちに向けて取材のなかで口をそろえて言ってたのは、俺様なりにまとめてみると、ざっとこんな感じか。


  1. カッコいい人は、ほかの女の子からもチヤホヤされてるし、別に自分じゃなくてもいいんじゃないかと思えてくる。

  2. そのチヤホヤされてるっていう、それ自体がもうなんかイヤ。

  3. カッコイイ人は黙ってても寄ってくるだろうと思ってて、ただカッコつけて待ってる感じ。それがムカつく。

  4. 嫌われたくないとか、ほかの人にとられたくないって感じちゃって、自分もついがんばっちゃうのが疲れてしまう。

  5. カッコイイ人は“自分はもうここにいるから、おまえもここまで来い”みたいな考え方でいるような気がする ── これはお母さん談。


 で、“ブサイク”な人へ向けて言ってた言葉。


  1. マメ。とにかくマメ。メールでも電話でも、その数が全然違う。

  2. ブサイクな人は少なくとも一生懸命で、ちゃんと気持ちとか全部でぶつかってきてくれてる感じがする。それが嬉しい。

  3. 飾らないし、カッコつけたりしないから、変に自分も気ぃ遣わなくていいし、いつも自然体でいれるのがいい。

  4. きっとブサイクだって自分でもわかってるから、手放したくないっていう気持ちが強いのか、優しいし何でもしてくれる。

  5. なにより私だけを見てくれてる感じが嬉しい。


 どちらも、わからなくはねぇ。


 結局のところ、“私だけの王子様で、私だけが貴方のお姫様でいたい”ってとこか。変に見下されたくねぇっつーことか。いや、それはちょっと微妙にニュアンスが違うか。見上げるような感覚で一緒にいたくねぇってことか。
 それはそれで妥協とも言えるかもしれんが、実際には、欲が出るってあたりかな ── 等身大の自分のままで、本気で好きになりたい。


 たしかに、カッコいい人は好きじゃないっていう人に、身近なところで前ちょっと“なんで?”って聞いてみた。そしたらこんな答えが返ってきた。
「漠然とだけど、なんかいつも変な劣等感感じるから。なんか“付き合ってもらってる”っていう感じするから」


 “特別”だからこその気持ちなのかねぇ~。そういう存在っていう感覚が自分のなかにあるから、自分もみたいな。心のなかの振り子てやつか。
 自分がぶつかった分、相手も同じだけ振れてほしいみたいな。あるいは天秤 ── 片方だけが重くても軽くてもダメ。バランスが悪いと、心の針がどっちかに振り切れてしまうわけだ。


 んなあたりで、品川さんが言った。
「でも、まったくそういうのがなくて、全然モテないっていうのも女性からしたら、なんかアレなんじゃないんですか?」
 ん~、そんなふうな言葉もよく聞くな、実際。
 まあ、それに答えた番組の女の人も言ってたけど、とどのつまりは“独占”だろうな。それの賜物以外、なにものでもないだろう。


 そんなとこから聞こえてくるのは、昔っから使い古されてきた言葉 ── “男はやっぱり中身でしょう!!”
 んまあ、彼氏のほうも、自分を恋人として選んでくれた特別な女性ができたとて、手放しじゃ~喜べないわな。テレビに顔まで映されて、“ブサイク専門”ってことでお声がかかってんだから。


 とはいえ、そんな恋人に選ばれた男性諸氏のほうも、なんだかんだで悪い気はしてなさそうだったな。
 ホワイトデーに、妻に内緒でケーキを作ってる旦那さん、すっげぇ嬉しそうだった。それを食べる奥さんも同じ顔。
 手をつないで一緒に歩く恋人どうしも、すっげぇ楽しそうだった。


 結局、みんなハッピーなんだな。
 だったら“B専”だろうがなんだろうがいいじゃん。


 しかしだ。


 まあまあまあまあ、結局どいつもこいつも、別に全然ブサイクじゃねぇのな。
 このときばかりは、さすがに小倉さんたちの「きっと今ごろ、ホントのブサイクが怒ってるよ」って言葉に大きくうなずいたわ。


 まあ、さすがにカッコいいとも言えないけど、格別ブサイクってことでテレビに映すほど悪くもねぇ。
 あれじゃあ、“B専”たって、なんか“目も当てられないようなブサイクには、むしろ私だけ見るなんてやめてほしい。そこまでのブサイクなんてもう、B専とかそれ以前の問題”って言ってるようなもんだ。番組で最初に出てきた“希望の光”なんてあったもんじゃねぇ。


 さて、こっからは俺様の分析だ。
 “飾らない”ってのは、女が飾るから男も自然とそうなるんじゃねぇのか? 当然、イケメンだろうがブサイクだろうが、男も女に受け入れられたいわけだ。
 で、どっちかが飾れば、もう片方も飾らなきゃなんねぇのかなって感じんだろう。そらイケメンに対して言い放ってた“自分もついがんばっちゃう”ってのと同じこった。


 っつーか、単によ、そのとき好きになった人が、カッコいい人か、チートばかりそうじゃないってだけのことなんじゃねぇかなと思う。ただそれだけのことじゃねぇか?


 番組内の女の人が、こんなことを言っていた。
「まわりはその人のこと良くは言わないけど、私だけがその人のいいところ知ってるんだ」
 すごく印象的。
 いいこと言う。


 でもそれって、“インディーズだったころは好きだった”っていうマイナー指向の人から聞く話とも似てるような気がするんだよな。「もうメジャーになっちゃったからねぇ~」みたいなさ。
 なに? 母性で恋愛しちゃってるのか? “私が守ってあげる”的な感覚なのか? それでいて、いつか自分が淋しくなりそうになったら、すぐ捨てれるのか?
 “私はあなたの母親じゃない”なんて言っておきながら、そんな心理がどっかにあるじゃねぇのかって。“一緒にいてあげてる”とか平気で言えそうなもんだ。


 女がいっつも奥歯にもの挟まったような言い方すんのは、いつまで経っても満足しない性分からきてんだろうと思う。車で送ってくれたんなら、帰りも迎えに来てくれるんだよねって、どんどん欲が出てくんだな。
 女を100%満足させようと思ったら、200%の器を持たなきゃいけねぇ。1人の女を満足させるには、2人の女を同時に満足させなきゃならん。
 いつも奥歯に挟まってんのは、自分の不満だっつーことだな。


 ってか、やっぱ妥協なんじゃねーのって。
 どっかではなんだかんだ言ってもカッコいい素敵なイケメンがいいとは思ってても、そのまたどこかで“どうせ私なんて……”って感じ抱いてるんじゃねぇの?


 結局人間なんざ、ヴィジュアルに弱ぇんだから。盲目の人の聡明さと強さが決定的なのは、きっとそこだろうなと思う。曖昧で不確かで信じきれない愛よりも、見えるメールや実感できる優越感だろ?


 なもんだから、良い悪い以前に、自分から枠外に締め出してたりするだけじゃないか? 参加する前に脱落してたりさ。
 それって弱冠の違いはあれど、要は“鶏口牛後”の心理だろ?


 単なる自分自身への、精神衛生面への配慮ってやつか。


 “B専”なんてなんかカッコよさげなファッションみたいな単語使ってねぇで、シンプルによ、惚れてくれる男のことブサイクだのなんだのヘッパッたツッパったなんて見下しておきながら、自分のこともっと見上げてくれるようにシッポ振る“負け犬”でいんじゃねぇか?


 でも、そうじゃねぇよな。
 かなりまわりくどいけど、そうじゃねぇって気づいてくんだろうさ。
 つまりはそういうことなんだろうな。気づいていく、それなんだろうさ。


 最初はたしかに、その“反ミーハー”というか、“B専枠”みたいな感覚の働きだったかもしれん。
 イケてる人のイケてないところを自分だけが知ってたり、イケてない人のイケてるところを自分だけが知ってるってよ。
 たまたまよ。たまたま。


 自分が好きであれば、それでいいみたいな。その人に対する自分の気持ちに自信が持てれば、それがいいみたいなさ。
 嫉妬とかそういうのって、結局あとからついてくるもんじゃん。強さも弱さも、その人を好きだからこその気持ちよのぉ~。
 そんな感じで自分が好きになる人に対して最初から枠を設けちゃうような考えじゃなくて、ホントにただ好きだから一緒にいるんだってことにさ。


 女のなかの不満ってのは、もう1人の女じゃなく、自分の好きな恋人が満たされたかどうかなんだな。1人の女を満足させるにゃ、同時に男も満たされてなきゃ、なんの意味もねぇっつーことだ。
 さらに言えば、そっちのほうが20%ぐらい多そうな気さえする。


 女にとっちゃ、2人で初めて100%になれんのかね。


 まあ、そんなわけで……って、そういえば、その番組に出てる光浦さんが、最後におもしろいこと言ってたな。
「この男の人バージョンはやらないんですか?」
 ねぇだろう。価値がねぇよ、そんなの。
 男にそんなこと訊いたって、なんでも“人それぞれ”で片付けようとするんだから。


 とまあ、またしょうもねぇこと言いくさってしまいましたが、俺様なりに考えてみた。


 “B専”とは、“ブサイクな心とおさらばして本気で恋愛を楽しむための自分を見つける専修学校生徒”


 ちなみに、俺様の小学校のときのミニバスの顧問は、三浦先生 ── 略して“ミーセン”だ。

  • April 17, 2007 2:25 AM
  • 松田拓弥
  • [ ゲロ古 ]

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