やっべェ ──────────── !!!!!!!
俺様……俺様……
これの匂い大好きだ。
この体の内側に秘めたる姫の秘めな俺様の芯に訴えかけてくるものを感じた。俺様の本能をくすぐった。
素敵だ。まさに素敵だ。
もしそれを音であらわせというのなら、ちんちろりん。もし形であらわせというのなら、ピラミッド。
もし、もしもそれを万人にわかり、なおかつ俺様のなかに存在するたった一つの単語で端的かつ直感的にあらわせと迫りくるのなら、それは、女。
もういい。
自分の内から湧きでてくる言葉に酔いしれるのは、もうよそう。よしとこう。このへんで。
ちゃんと書け。事実をきちんと伝えていけ。
えっと、ここしばらくお風呂場で使ってた洗顔石鹸がきれそうだったので、本日のバイト帰り、いつものごとく多少近所じみた≪東急ストアー≫へゴーした。
ふと思いだしたわけだ。
<きれそうだったな、たしか……>
泡立てネットでそれをこすると、知らぬ間にカランコロンカランとお風呂場の床に落ちる。
俺様の楽園ショウケース、牛乳の棚の前を通り、ジュースの棚から DAKARA と ヴァイタミン・グァードゥとカロリーゼロ・コーラを取り、野菜ジュースとかいかにも健康を促進してくれそうなところを素通りし、洗濯洗剤から芳香剤の並ぶ列を抜け、そこに到着。
いろいろ物色。
ここ最近使ってた “ ベビーせっけん ” は、これがまた思いのほか、なかなかいい按配だったなぁ~や。使ってて悪い気はしなかった。最初は、ニキビが消えたのでちょっと勘違いもした。
俺様、この年になってやっと洗顔というやつに気を遣うようになり、洗顔フォームをやめ、ソープに切り替えた。なんか違う。
なんか自分の手でもみこんだり練りこんだりすると、泡立ちというか、もちろんそれも違うんだけど、洗いあがりが違うと思うの。
昔は、ウメくんが愛用してた “ メンズ・ビオレ ” とかでも、まあとにかくなんでもよかった。おっさんたちが使うような炭の調合されたようなやつでも、なんつってセレブが使うような無添加のやつでも、とりあえず泡が出て洗った感じがすればオッケィ ベイビ。“ パーフェクト・ホイップ ” ってのは除く。
洗顔フォームっつーのは、洗ったあとなんとなく “ スッキリ!! ” っていう感じがした。とにかくスッキリ!!
爽快とでもいいましょうか。CM で五厘ジャニーズくんとホース美男子ジャニーズくんが言ってるのも嘘ではないかなという感じ。
でも洗顔石鹸だと、違うような気がするの。するの。するの。ホントに、するの。
“ スッキリ!! ” ではないの。感覚が。俺様の感覚が。そう訴えてくるの。
まろやかっつの? まとわりつかないネットリっつーの?
かといって、おばさんたちがよく使う “ ぷるぷる ” とか “ もちもち ” っていうんでもねぇの。
英単語の意味は関係なく、響きがロンリー。意味まで考慮すると、ビロード。ヴェルヴェットではない。
まま、で、容器にある “ 年頃ニキビ ” っていうのに惹かれ、購入。
おれはいつでもお年頃。いっつもかっつも発情期。
……あ、そういうツッコミはつまんないから。もうおばさんたちから耳にセルライトできるぐらい聞かされててうんざりなの。
そして帰宅と同時に、パソコンの電源オ ──── ン!!
まあ、そこは別に力入れたいところじゃないんだけど、“ ゼェ ──────── ッ!! ” って叫ぶのと同じぐらいムダに耳クソがたまってるもんで、その鬱憤を、ちょっと理不尽かなとか思いつつも、この場を借りてうっふんしてみたの。
それからシャ-ワタァーイ。
なんか俺様の文章、巧みに横ぼっこ扱うようになってきたな……
まあいいや。
ほとばしるお湯をちょっと足に引っかけたところで思いだし、買ってきた “ スキンライフ 泡のふんわり洗顔 ” を居間から持ってくる。お風呂から出てまたお風呂場へ戻る俺様の足跡、ゆっくりとフローリングの板間に沈みゆく水たまりが、なんとも官能的な光を落としてた。
俺様、その光景が大好きなのだ。素っ裸でお風呂場のドアから出てくる女より、その女が俺様の視界の隅にひたしていく残り香のような水との乱反射のほうを追ってしまう。駆けだすようにたどっては時に立ち止まり、振り返ってはまた向きなおる。
そこには現実という日常があり、また、日常のなかの非日常である官能が横たわっている。
ダルい。ああ、ダルい。こういう文章ってホント、ダーリン。
でもって、お風呂場に戻って、浴び共感もひと段落して、頭を洗ったら顔を洗う。スキンライフをブシュブシュやる。
そうだ。最近こういうの流行ってるよな。“ 泡で洗う ” っていうの。最初っから泡で出てくるやつ。
別にそこにメッセージはないよ。だから大変助かってるわけではないし、それが嫌いってわけでもない。最初っから泡で出てくるからって、CM どおり、子供たちが手を洗いたがるってこともねぇだろ? ねぇんだろ?
最初は、あんまり期待もしてなかったから少なめブシュブシュで……
Ooooooooooooooooooooh...Yes...My god...Oh...Yeah...
思わずさらに目をつぶっちまった。
アメイズィング!!
次の瞬間、こともあろうとなかろうと、顔に泡つけた状態で、そのあまりの芳醇さに思いっきり鼻から香りを吸い込んじまった。
俺様の本能が求める女の香り。
なんとエロティック!! なんという芳香!!
ワイルドでエレガントに高貴な官能パラダイス!! 純白のタンクトップにイヴニングドレスな俺様だけの秘密のパーティー!!
勃起した……
そう!! そうなの!!
俺様、いつの間にか勃起してたの!!
俺様、顔洗いながら、お風呂場のシャワーのなかで一人、勃起してたの!!
人生初だぜ。
香りだぜ?
鼻腔の粘膜を彩る空気だぜ?
五感のなかでももっとも軽視されがちでありながらも、もっとも人間に影響を与え、そして根深く焼きついて脳からもも心からも抹消されない感覚だぜ?
そうそう、その感じ。
ピンコ立ちではなくて、なんか半立ちでもさらに中途半端な感じ。上がりたいけど、上がりきれない。下がりたいけど、下がりきらない。イキたいのに、イカせてくれない。イッたのに、まだやめてくれない。
なんだよ、ほかじゃ “ 無添加 ” だの “ キューピーシリーズ ” だの、キューピーちゃんとか出してすっげぇ濁りのない愛らしい雰囲気だしてるのに、この香りはえげつねぇな。
でも、この感覚は、たしかに “ NEW ” だ。
においで勃起って、そうそうないだろ。
たしかに、今まで香りで勃起したことはあったさ。そりゃあったさ。
でもね?
それはあくまで、それを発してる女を感じてのことだった。女っていう実体を感じての勃起。
つまり、オプション。
香り単品の勃起はねぇ。
しかも香水とかシャンプーとかローションとか、そういう女が実際にそのために使うようなもんじゃなくて、ただの洗顔フォームだもんな。スキンケアって響きだけを感じれば、なかなかどうして、どことなく共通ありそうなニュアンスも感じなくはないけど、違うだろう。
年頃ではあっても、吹き出すものが間違ってる。気になるっていうのは共通点だ。
たまらず、二度目は多めにブッシュブシュして思いっきり覆われてみた。で、また思いっきり鼻からその官能を吸いこんだ。
今度はさすがにムセたよ。でもそれは、俺様の本能に充満する痛気持ちいい……
うっぴょ~ん。
ただただ痛かった。鼻からコンペイトウ産み落とすかと思った。
もうしねぇ。
おれはおまえが大好きだ。
すっげぇ好きだ。愛してる。ハマッた。もう病みつき。
おれ、もうおまえから離れないから。
ここに唯一、俺様認定のアロマを報告す。
- April 19, 2008 7:37 AM
- [ スキンケア ]