いやぁ~、あのさぁ~……
どうよ、最近?
まあいいよ。別に。
あんたの近況にゃたいして興味ねぇし。
「別に普通」とか「どうよって言われてもねぇ~……」とか答えられても、こちらとしてもねぇ~。
たぶん聞いたところで「ふ~ん」とか「へぇ~」とか「そう」とかぐらいしか答えらんねぇようなことだろうしな。
っつーわけで、そんな殊更感じの悪い前振りにどんな意味があろうかというと、たいした意味はなさそでありそな俺様は、とあるニョニンから言わせると、こうらしい。
あなたは、どんな角度から見ても強いからねぇ~。
ふむふむ。
なるほど。
俺様、ミョ~に納得した。
だから今日は、そこを先に続けることにす。
たしかに、あらゆる角度から見てもらっても、俺様は、強い。
そのニョニンは、さらにつけ加えた。俺様がそう求めたから。
すっごい人のこと気にするくせに、全然他人のことなんて気にしてないっていう感じで接するでしょ。
ん~、ふぅ~……
鼻から出すため息チックな “ す~ ” でも “ ふ~ ” でも “ う~ ” でもないあの吐息って、文字じゃどう表現すりゃ~いいんだ?
まあ、それだ。
たしかにそうだ。
俺様のそういうところが人には “ 強い ” と映るらしい。
たしかにそうだ。
強がりでもなんでもなく、すっごい気にしてるくせに、気にもとめないような感じに接する。
これは強さか。
人はそうしようとて、意外にできないもんなのか。
いやはや、たぶん俺様のそれは、本気で鼻毛にもとめてないような態度と見えるからなんだろうか。
ちょっと気にして電話してみても、まったく、まるで関係のない話題で盛り上がる。全然連絡もとらず、まったく話もせず、音沙汰なしの状態が半年以上、いや、一年以上もつづいていたとて、電話したときには、さもそこにいるのがあたり前であるかのように馴染む。浸透する。
だから人は俺様に「変わらないねぇ~」と決まって言うのか。
変わったようにしないからか。変わってないように映すからか。変わらないから馴染んでるんだと錯覚を起こすからなのか。
変わってないと錯覚するほど浸透してるからなのか。
それは強さというより、はたまた言い換えてみると、俺様の強みなのだろうか。
どんなに長いことしゃべってなくても、自然と入り込んでいける。それには自信がある。
俺様は “ 人との接し方においては天才的 ” なんだそうだ。そのへんが。
いることがあたり前のようにいるらしい。
たしかに、自分でも天才だと思う。
これまで、どれだけの人を手玉にとり、くゆらせ、主導権は向こうと思わせつつも揺らし、振りまわし、傷つけてきたか……数え知れぬ。
でも違う。
俺様が天才なのは、そんなしょうもない部分ではない。そんなものはしょせん、受ける側の気持ちに委ねられる部分が大半以上を占めるからだ。
俺様のそれは、もっと別の領域にある。
長続きすることにあると、自分では思う。
人には “ 深層心理 ” っつーもんがある。無意識ともいえようぞ。
俺様は、そこに働きかけているのだと思うのだよ。
ん~……
それもまたこれまでに何回も何回も書いてきてるこったな。
飽きたよ、もう……
また別のニョニンは言った。
「でもこうやって、なんだかんだでいまだに続いてるのってすごいよね」
「ああ、まあ、すごいんじゃない」
「こんなに生意気で可愛くないし憎たらしいのに、自分でも不思議」
「あそう。それ、かるく侮辱してるつもり? そんなことじゃ俺様の自信は多少なりとも削がれないよ? ──── わりぃけど」
俺様の大嫌いな言葉 ──── 接頭語、あるいは接尾語としての “ 悪いけど ”。相手によっては、あえて使ってみることもある。
「そういうところがホント可愛くないよね。ひと言多いんだって」
「まあ、俺様がこういうんじゃなくて、本当に可愛いやつだったらこんなに続いてないと思うけどね。そういうことでしょ」
「ああ、それはたしかにそうかもね。文句言えるから」
まあ、そういうことだよな。
深層心理っつーのは、その人のあらゆるところからにじみ出るもんだ。
それを敏感に察知できるか否かにある。
ん~、俺様の強さかぁ~……
「いやぁ~、そんなことねぇぞ? ケッコー弱ぇぜ?」
とか言ってみておいた。
きっと俺様と話したことがあって、実際に面と向かってメシでも食ったことある人でも、なおかつ “ 他人のことなんてどうでもいいと思ってる ” とか言っちゃうやつは、言葉が心を超えちゃってるやつだな。
- July 7, 2008 3:59 AM
- [ 自分らしさ ]