いやはや、男とはつくづく不思議な生き物のようで
便所にて。
ションベンするときは入口から一番近いところで済ませるのに、なぜ垂れるときは一番遠いところに入るのか。
で、ションベンのときは、先にしてた人から1つあけて、する
これが礼儀みたいなところがある。
いつも俺様はすぐ隣に入るのだけれど、すると、「おいおい、なんだバカヤロー」みたいな目がこちらに向けられる。
と、そんな顔をしながら、途中の人は途端に水を流しだす。
男どうしの音なんて、あえて聞く人はいませぬよ。
で、驚愕したのが今日のバイト先。
俺様が大名のような素振りでそこへと入っていく。
5歩ほど先に入った人が、小便器にペロンと向かう。
俺様は無論、おさまる前にすでに少し下げながらその隣に並ぶ。
俺様のほうが早かった。キュッと流して、キュッと締める。
手を洗って外に出て、外の流しでさらに洗う。
と、そのとき。
便所のなかで、ドアの閉まる音が響いてきた。壁は薄い。
思わずウサギのように動いた俺様。
<別々?? ウンコとシッコ、セパレートなの?? しかも、恥ずかしがってるの??>
さっきの人以外に便所に入った者はいない。
ましてや、女の人には向かない場所だ。
最近、職場であるのにも関わらず、あまりに落書きが蓄積されてきたため、壁ごと取り替えるという作業があった。で、貼り紙までされた。1つのブースに1枚しっかり。これ以上落書きするようであれば、使用禁止もありうる、とまで書かれてた。
しかしながら、唯一まだ発見されずに残っている定番の落書きがある。
なんとまあ、トイレットペーパーがおさまっているあの狭いスペースに、さらに言えば、小刻みに震えながらもしっかりとした筆致で描かれているのだ。
そこがまたおもしろい。
そんな光景は、不意の気まぐれのままに出かけられた日々を思いださ
いや、それは今もそうだ。というわけで、それでも夕暮れまでには帰ろうとしていたころへと誘ってくれる。
公衆便所の壁に書かれていた電話番号に、そこに指定された時刻、人知れずかけてみたことがあった。変なしわがれ声のオッサンが出て、本気でガッカリしたものだ。
さて、話を戻そう。
俺様はこっそりと便所のドアを開けた。もちろん、確認のため以外の目的はない。
ああ、なんとイヤな奴だろうか。
<ん?>
一歩も入ることなく、そこを辞した。
<プピだってよ!!>
俺様は外に出てまた手を洗いながら、心のなかでだけ爆笑していた。
<なんかカワイイじゃねえか!!>
ああ、なんて暗い子なんだろう
- January 17, 2004 7:22 AM
- [ 自分らしさ ]