先月のこの日はヴァレンタイン・デイだったので、今日はホワイトデイだから、そのお返しをした。
最初はすっげぇ迷った。
こういうときの俺様は、恐ろしく人間として弱だ。
相手のことを考える。とにかく、相手の気持ちになって考える。考える。考えまくりにまくる。
デザインが、なかなか So Cute なもの。
値段がなかなかお高いもの。
どちらもコンビニだ。確認しようと思えば、ちょちょっと車を走らせれば済むだけのコンビニエンスだ。
つまり、自分のため。保身。自分がかわいい。俺様だけがカワイ子ちゃん。ええカッコしぃ。
「男なら、黙って倍返し」
そんなことをその前に聞いていた。
まあ、そいつはバイト先にいるいい年こいても脳たりんな男前。女に対してじゃなく、人間に対しての脳みそが亀頭以下だと思われる。
きっとこれまで特に必要じゃなかったんだろうな ──── 極度なコミュニケーション不足と、多少いい男っていう見た目からくる自尊心と、でもそれはいいことじゃないとでも思ってるのか、ナルシスト、あるいは、いわゆる “ かまってちゃん ” とか淋しがり屋 だとまわりから思われたくないからだけなのか、ただ単にだれからも嫌われたくないっていうだけなのか、自分に自信が持てないのと、そして、そのへんから派生してくる他人に対しての受身な姿勢。
漠然とした自信のなさと自意識過剰なプライドの高さとが共存するひどくもろい内面。人間として、男としての芯がない。
SS 23 ぐらい。
つまんない。
まま、プレゼントやお返しは気持ちといえども、このお値段なら妥当な線かなと思いきや、いくらでも調べることができるという事実。
見た目がよければ、ある程度までなら中身はごまかせると思っても、やっぱり調べればわかるという現実。
だから最初は、もう面倒だから現金でそのまま「これで好きなの買って」と渡そうかと本気で思った。漱石さん。
実際にはそれが一番で手っ取り早く、後腐れもなにもない上に、ただの臨時収入ってことで現実的なお返しとなる。
でもそれでは、あまりにもデリカシーに欠けるということで、棄却却下。
結局、見た目とお値段の両方で妥当な線、800円の “ ホテル・オークラ ” と書かれた箱 & 小袋つきのをチョイス。
それは前日の話。
バイト帰りに、忘れたらマズいということで、昨日の真夜中に買っておいた。
意識はなくとも “ いくら仕事場のことだからって、お返しもなしか ” とか思われるのすらイヤなんだな。無意識にそう感じられるのも許されない。
俺様は、できれば無意識のほうを支配したいなと思ってる。
で今日、すぐに渡した。
「あ、これ、どうぞ。ありがとうございました」
するとその娘っ子はこう言った。
「あ、わざわざすいませぇ~ん」
その口調はきっと、だれもが想像したもので間違いないと思われる。キャサリンだ。
「あ、いえいえ、とんでもないです」
俺様もそう答えた。
“ 死ね ” と思った。
- March 14, 2008 5:25 AM
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