本日未明、俺様は泣いた。
バイト先にて言われたひと言。
「どうもねぇ~」
そんな声が聞こえてそちらを振り返ると、かるく手を振っていた。
そのとき俺様はすでに帰るため、少し自転車で走りだしていた。手を振り返す俺様。
流れてゆく視界がにじんだのは、すぐにつけた煙草の煙のせいだけじゃなかったはずなんだな。
やっぱ “ ありがとう ” という意味合いの言葉を言ってもらえると、気分がいい。
むしろ、こっちのほうが同じ言葉を返したくなってしまう。だから涙が出てくるんだ。
“ いやいやそんな、ありがとうなんて、こちらこそ、ありがとう ” と。
──── そしてそれは、ちょっとだけ軽い感じのほうがいい。
だから男、特にオッサンの “ ありがとう ” が一番効く。
女の使う “ ありがとう ” は、たまにくどいときがある。
いやまあね、年を取って涙腺がゆるんでるだけだとかいうこともさ、そりゃあるかもしれないよ。
いや、本当のところがそれなのかもしれない。
でも違う。
なんか違う。
うん、やっぱ違うよな、そういうのって。
ショボいんだよねぇ~、なんかそういう言い訳っつーかなんつーか、照れ隠しなのか認めたくないのか知らねぇけど、そういう表現するのって。
昔からの俺様のささやかな夢は、“ 人から「ありがとう」と言ってもらえるような人になること ” だ。
それは子供でも大人でも、少年少女でも、くされマンコでもヤリチン太郎でも、裏腹な言葉しか吐けない野郎でも、じいさんでもばあさんでも、恋人でも友達でも、だれだって関係ない。
直接 “ ありがとう ” ではなくても、そんなニュアンスや空気を感じられれば、それでけっこう。
こちらこそ、ありがとう。
でもきっと、それはだれもがそうだと思う。
ただ、そう感じることができて、今日みたいにこうして涙が流れてくるようになったのは、素直になれてるんだなって、そういうことなんだと思うわけ。
自分の感情や気持ちをそのままストレートに伝えることは、常に、そしてだれに対してもいいこととは限らない。
真実だけを欲しがるのは単なる自分のわがままで、それをそのまま人に伝えようとして、押し通そうとするのは、自分の勝手な都合でしかない。
真実と事実は、まったくの別ものだ。
素直さと正直さがまた、それと同じように。
誠意が、嘘をつかないということとはまた別なように。
俺様は感じる今日この頃。
ほんのちょっぴりの “ ありがとう ” に涙することができる俺様は、ほんのちょっぴりカッコイイ。
- November 17, 2008 9:46 AM
- [ 感じたこと ]